12月11日(月)
朝に散らかっていたデスク周りを片付けたら、ほこりが舞ったせいなのか、それからずっと咳が出る。未だにコロナを引き摺っているようで喉が刺激に弱い。もう大丈夫かと思って飲むのをやめてしまっていた市販の、効き目の悪い薬を飲む。
咳って夜になると悪化するのは何故なんだろう。心配する母には眠いだけだからと誤魔化しながらも、疲れて横になる。病院へ行ったほうがいいとはわかっているが、面倒くさいって思ううちはまだ大丈夫でしょ。なんて。
12月12日(火)
開けないまま放置してしまっていた購入品などを開封して片付けた。3ヶ月ぶんくらいの放ったらかしは結構な量になって、無職のくせに買い物しすぎであることを自覚。来年の一番の目標は節制にする。絶対に。
とか言って、今また欲しい花器があったりして悩んでいる。今年1年で部屋の中に小物があれこれ増えた。特に仕事を辞めてから。時間ができたことで、部屋を気にかける余裕が生まれたというか。本当はこんな部屋にしたかったんだと、ようやく、それまで聞こえないふりをしていた頭の声に耳を傾けられるようになったというか。インテリア雑貨好きの自分を知った。仕事を辞める前は知らなかったこと。
母が帰宅。朝、突然炊飯器が壊れたそうで、以降頭の中が炊飯器のことでいっぱいになってしまったと、文字通り頭を抱えている。デザインを求めると機能性を妥協しなければならず、機能性を求めるとデザインの質が落ちる。どちらを選ぶべきか、いやその前に値段の問題が……。と、ずっとAmazonを眺めながらぐるぐる考えているようだった。デザインと機能性が両立する家電って難しい。ディーター・ラムスデザインの、BRAUN製品のような家電が出てこないかとずっと思っているが、なかなかない。知らないだけかもしれないが。
夜。今年の漢字のニュースを見る。今年はなんだろな〜「税」とかかな〜なんて思ってたら当たってた。みんな感じていることは一緒。ちょっとタイミングが違えば、大谷翔平の「翔」とかになってたんじゃないか? なんて親と話しながら夕飯を食べる。白米は鍋で炊いたものだった。
12月13日(水)
雲ひとつない晴れ。暖かかったので日光浴ついでに、久しぶりに植物たちの写真を撮った。
ヒメモンステラは自室の窓付近に置いているため他の植物より確実に寒いはずなのに、冬でもどんどん新芽を出してくる。強すぎる。恐らく現在育てている植物の中では最強。可愛い名前して、頼もしい限り。めちゃ長い気根も生えてきた。
他の植物たちは、冬なので目覚ましい成長はないが、枯れることなく耐えている。予報を見ると、土曜日にぐんと暖かくなった後、突然平年を下回る寒さに見舞われるそうでちょっと怖い。自室は北側に位置するため、あんまり寒い日が続くようなら窓辺の植物たちは避難させないと。
昼過ぎ、帰宅した母と炊飯器の偵察に電気屋へ。やはりデザイン性を求めると機能性に納得できず、機能性を求めるとデザインが普遍的。どちらも求めすぎると予算をオーバー。難しいところだねとあれこれ悩みながら、程よくこのあたりかなという炊飯器を決めて、ネットで安く注文する。
今日の夕飯も鍋炊きご飯。昨晩にカレーを食べた時は、白米の味に違和感はなかった。けれど、カレーの強みで誤魔化されただけかもしれないと改めてじっくり味わってみたら、やっぱり普通に美味しかった。なんなら二口ほど食べるまで、炊飯器が壊れていることを忘れていた。鍋も全く侮れない。
12月14日(木)
年末までに仕上げたい部屋の掃除を少しずつ進めていくことに。本日の目標はネイル収納棚。使いっぱなしのまま、あちこちに散らかしていたポリッシュを棚へと戻し、埃をとったり周囲を雑巾掛けしたり。数日前、掃除によって喉がやられたことをすっかり忘れており、素顔のまま始めたらすぐに咳が出始めた。慌ててマスクを装着して再開。
ポリッシュを整理するたび、こんなにあるんだからもう買わなくていいだろうという気持ちになるが、三日後には忘れているのでまた買ってしまうことになる。良いものがどんどん出てくるから困る。使っていない安いポリッシュを捨てようと手にとるも、色が良いのですぐ元に戻して、を何度か繰り返してしまったので断捨離は断念。あれもこれも、まだぜーんぶときめくからいいの。
調子が良いので、ついでに本棚も整理する。物を買ったときについてくるポストカードやらショップカード、全然捨てられない問題に直面。要らないけど、要るんだよな〜これが。素敵なお店はショップカードも良いのでみるみる溜まっていく。良い買い物をした証として、まとめてカードファイルへ保存。ファイルがいっぱいになった頃に考えることで問題を先送りにする。
夢中で片付けていたらお昼をとうに過ぎていた。あと1週間ほどでなんとか、部屋まるごと綺麗にしたい。
12月15日(金)
夜。だらしない格好でゲームをしていたら、いきなり背後から「誕プレ」と言われてめちゃくちゃビックリした。「えっ?!!?!?」と超大声を出してしまい母親を怯えさせた。振り返ったら、白い紙袋を持つ弟がいる。やはり「誕プレ」と呟いて紙袋を差し出してくるので、さっきの声が聞き間違いではなかったと理解する。たんぷれ、ってなんだ? もしかして、誕生日プレゼントのことか? 弟が? 私に……? 信じられないまま、恐る恐る受け取る。
それは本当に誕生日プレゼントだった。今まで弟からそのようなことをされたことがなかったので、嬉しさより先に驚きで支配されてしまう。開封していいか尋ねたうえで開けてみると、思いの外立派な箱が出てきて変な笑いが出る。贈り物は、綺麗なパールのイヤリングだった。これまた驚き。ちょうど冠婚葬祭用にパールのアクセサリーを揃えようと考えていたところだったので。
嬉し恥ずかしでついつい「びっくりしたぁ」しか口から出ない。私や弟よりも母がとびきりはしゃいで今つけてみてよというので、言われるがまま身に付けてみたら、かなりしっくり。シンプルで、且つ品が良い。ようやく実感が湧いてきて「こんなイヤリングがほしかった、ありがとう」と伝えたら、弟は照れ隠しなのかガッツポーズをしていた。そして「今までお世話になりました」と畏まって頭を下げた。またビビる。そんなにお世話してたかな?!
むしろ弟は、自分のような姉がいるせいで様々な迷惑を被ってきたんじゃなかろうか。様々な仕打ちの結果、今は必要会話以外の言葉を交わさない関係にあるし。弟のことを振り返るたび、感謝されるどころか一生恨まれて当然のことばかりしてきたと思っているので、とにかく本当に驚いた。誕生日の日付すら覚えられていないと思っていた。
あとから聞けば、自分から母に相談を持ちかけて贈るものを決めたらしい。弟的には、成人祝いや就職祝いを貰ったお礼もあるのだそう。そう言われれば、あげたようなあげてないような。成人祝いは節目なので確かに贈ったが、就職祝いの記憶は抜け落ちている。どちらにせよ、お礼など求めていたわけもなく、どちらかというと、これまでの負い目故の自己満足な部分が大いにあったりするんだけど。
人からの恩に感謝し、自ら行動して返すことができるような、弟の人間としての成長にしみじみしてしまう。対する自分はと言えば、情けないことに現在無職であり、つい先日迎えた誕生日では年相応に成熟している実感が全く湧いてこない〜とか抜かす、中途半端なダメ人間なのに。いつもいつも、こんなのが姉で申し訳ない。いかん、ネガティブになってきた。ここまでにしよう。
今日、日記を書いていてよかったと、改めて思う。こうした大切な日を、記録に残して覚えておくことができるので。
12月16日(土)
部屋の整理中に見つけた昔のノートパソコンを久しぶりに起動した。使わないまま置きっぱなしになっていたので、家族に譲るべく中のデータを削除しようと開いたけれど、以前描いた二次創作が出てきて懐かしさで手が止まってしまう。自分の絵は、いつまで経っても下手くそではあるが、かなり好き。「コレ本当に自分が描いたのか? 過去の自分、すごないか?」と自画自賛しながら見返していく。
データ削除するはずが、途中から絵の振り返りに脱線し、やがて残しておく絵の選定へ移行。結局削除は終わらず明日以降に持ち越し。どうせ初期化するつもりでいるからいいんだけどさ。