のたのた日記|1月22日(月)〜1月28日(日)

minamonu
·

1月22日(月)

今日は旅行の日。両親と共に唐津へ行く。海の傍。山も検討していたが、この時期は雪が怖いという判断になった。ちなみに、弟は遠くに住む恋人の元を訪ねているため不参加。

事前に、これをする! という明確な目的を決めずに当日の朝を迎える。いくつかある行ってみたいスポットの候補から、今日は宝くじが当たるといわれる宝当神社を目指して高島へ向かおうとなり、のんびりと出発した。高島は唐津沖の離島なので、島に向かうには定期船か海上タクシーに乗船しなければならない。定期船のほうが割安なのでそちらのちょうどよい時間を目指していたが、のんびりしすぎるあまり、船着場に到着したのは出港時間ギリギリだった。駆け足で船に乗り込む。

平日だからか、それとも生憎の曇り空のせいか、船の乗客のうち観光客は私たちの他に一組しかいなかった。島へ降りると強烈な海風に煽られまくって、3人揃ってフードを被り、寒風を耐え凌ぎながら目的の宝当神社へ参拝。宝くじで大きな額が当たったり、などはしないでいい、ただ安定感のあるお金に恵まれたい。そう高望みしていないように見せかけて、実は欲望まみれな願い事をしながら何度も頭を下げる。宝当神社の後には、更に奥へと歩き、島の氏神様を祀る小高い丘の上の塩屋神社も参拝した。そちらでも何度も頭を下げた。下げすぎても良くなかったりしたら、もうだめだ。

せっかくならと、宝当神社近くの販売所で宝くじも買った。何故か私の直感で選ぶことになり、とりあえずバラを10枚。父はものすごく明るい声で「当たるような気がする!」と生き生きしていた。そんなふうに楽しんでもらえたのなら、寒い中来て良かったなと思う。

帰りの連絡船の時間までは島の海沿いを散歩して、唐津へ戻ったあとは、お腹が空いたのでお昼を食べに行くことに。佐賀なのでイカを食べる。佐賀でイカといえば呼子だが、調べてみると、呼子まで行かずとも唐津にもおいしくイカを食せるところが沢山あった。今は冬なので、ケンサキイカではなくミズイカの活き造り。正直、ケンサキイカとの違いはよくわからない。

刺身は勿論美味しかったが、なにより、後造りしてもらった天ぷらがそれはもう、思わず身体が跳ねるほどに美味しくて感激してしまった。ほんのりあったかい衣に、ふわっふわのイカの身から溢れるうまみ。定食でそこそこお腹が満たされてきた頃だったのに、新鮮に美味しくて驚かされた。後造りってなんて幸せなシステムなんだろう。もうまた行きたいと思っている。

昼食を終えると、ちょうどチェックイン予定時間が近付いていたのでそのまま宿へ向かう。あまり大きな声では言えないが、実は宿にはそれほど期待していなかったにも関わらず、案内された部屋は想像の百倍、いや五百倍くらい、内装も景色も素晴らしかった。この部屋のおかげで、今回の旅が最高なものになったと言っても全く過言じゃない。

部屋の端から端までいっぱいの窓一面に広がる、唐津の海。窓を開けると、ごうごうと、騒がしいのに静けさを感じる波の音が響いている。先ほど行った高島も見えて、さっきまであそこにいたのにねーなんて親と話す。晴れ空の下の煌びやかな海もいいけれど、冬の曇り空の下の、厳かな佇まいの海にしかない良さもある。

夕食まで時間があったので、海を横目に、ふかふかのベッドで持参した本を読んで過ごした。初めて旅先に本を持ってきてみたが、こんなに気持ちの良い時間があったことに驚いた。誰も彼も、海のそばで本を読んだ方がいい。幸せってこれだったのかと身に染みる。これからの旅にも、必ず本を持参しようと決めた。

そのまま気持ち良く一日を終えたかったが、昼の食事処であれもこれもと欲張りに食べ過ぎたせいか、それとも夕食前の温泉で湯当たりしたのか、夕食中にお腹を壊してしまった。食後にもう一度温泉に行くつもりでいたが、部屋風呂で済ませて、ヘロヘロと寝床へ。もうちょっとだけ体を休ませてから眠りにつこうと思う。

1月23日(火)

朝の6時頃に起床。外はうっすらと明るくなり始めた頃。ぬくぬくなシーツの中、海を眺めて朝食の時間を待つ。まだ胃腸の調子がよろしくなかったので、早朝の温泉は諦めた。朝の露天風呂、入りたかった。

朝食会場は海の目の前。今日はこの冬最大級の寒波に襲われる日ということで、昨日と同様に天気は曇り。時たま、雲の隙間から差した光が遠くの海岸だけを照らして、まるで海の輪郭が光っているように見えた。朝食バイキングの素晴らしさに全メニュー制覇してしまいたい気持ちに苛まれながらも、この後も万全に旅を終えるため程々に済ませる。

チェックアウト後は唐津バーガーを食べに行くつもりでいたが、流石に朝食の直後だったので、少しあちこちを回って胃の中を空けることにした。あてもなく呼子方面へ向かい、途中で波戸岬を目的地に設定する。

目指すうちに僅かな晴れ間もなくなり、完全に雪が降る前の空気になって、車の中にいても風の強さを感じるほどに。名所であるサザエの壺焼き屋の前まで辿り着いたものの、歩いて岬まで向かおうと車から降りてほんの数歩、海方面へ歩いた途端に風の壁に押し戻された。比喩ではなく、本当にそこに壁があった。耳につけていたイヤリングが飛んでいくんじゃないかと咄嗟に耳を押さえたほど。風は強いし、寒いし、海の波は高くて怖い。これは無理だね、と速攻車に逆戻りして、来た道を戻る。撤退する私たちとすれ違うように、強者サーファーがサーフボードを抱えて海の方へ歩いて行った。

呼子大橋を渡り、加部島にある風の見える丘公園へと立ち寄る。施設は休館日で人っ子一人いない。おまけに、向かう途中からどんどん吹雪いてきて、玄界灘を見渡せる展望台からの景色は真っ白。ここまで寂しげなことある? と笑ってしまった。晴れていれば気持ちいい港の景色が見れたんだろうな。大寒波の日に来れることもなかなかないだろうから、それはそれで面白かった。

そろそろお腹も良い頃だろうと、唐津バーガーの販売車がある虹の松原へ。吹雪はだんだん治っていき、着く頃にはしんしんと静かに降るくらいに。バーガーを買いに車から降りて見上げると、雪の降る松林の中はなかなか神秘的な雰囲気で、一瞬だけ寒さを忘れた。

この旅の一番の楽しみにしてた唐津バーガー、めちゃくちゃ美味しい。トッピング全部入りのスペシャルバーガーを買ってみた。サクサクのバンズの間に、パティ、チーズ、ハム、たまご、レタス、本当に全部ちゃんと入ってて、そのどれもが分厚く、食べ応えがすごい。特にふわふわのたまご(スクランブルエッグ?)が美味しかった。車内のテレビで朝ドラの再放送を見ながら、15分ほどのランチ休憩。雪が怖いので、早めに帰路へ着く。

帰り道もやはり終始吹雪だった。辺り一面銀世界とはこのこと。地元ではなかなか見ない景色に、怖々しつつもワクワク。警報級の大寒波と旅の日程が被ることも中々ないだろうから、貴重な経験をした。幸い、襲われたのが帰り道だったことが救いだった。地元はしばらく晴れていたのか、ところどころに積もった雪のカケラは見えたが、帰宅する頃にはすっかり溶けてしまっていた。

旅行の間、寒い北側の自室からリビングへと避難させていた観葉植物を戻している最中、一箇所に集中して死んでいるコバエをぽつぽつと見つけてしまう。ゾゾゾーっとして慌てて掃除。集中していたのは、ちょうどハートホヤを置いていた辺り。春を待って植え替えようと思い、購入したポリポットまま鉢カバーに入れてしまっていたのが不味かったんだろう。大寒波の中で申し訳ないが、ハートホヤは一旦外へ。まさかこんなに繁殖しているとは。完全に舐めていた自分の悪手。他の植物たちの土に卵を植え付けられていたら最悪だ、殺虫剤は冬のうちはあまり使いたくないのに。もう絶対に虫対策はサボらない。

1月24日(水)

身を貫くような寒さにいつもより早く目を覚ましたら、外が真っ白だった。一年に一度あるかないかぐらいの雪が積もっている。また夜中に降ったらしい。道路を見ると、どの車両も恐る恐る白くなったアスファルトの上を走行していた。植物たちのために気温を上げたい部屋もなかなか暖まらずにひやひやする。

早く起きすぎたせいでなかなかうとうと気分から覚めなかったが、昼頃にやっと晴れ間が見えてきたので、昨日屋外へと追いやってしまっていたハートホヤを土栽培から水栽培へ移行する準備に取り掛かる。コバエの卵は絶対に屋内へ入れるわけにはいかないため、完全防寒装備で、ベランダ作業。こんなに寒い日にやってしまってはハートホヤへのダメージは計り知れないけれども、どうしてもコバエは許せん。土を全て入れ替えたいので、植え替えではなく水栽培への移行を選択した。

調べてみると土から水への移行成功率はかなり低い。土栽培と水栽培では根の種類が違うため、植物がうまいこと切り替えられずに枯れてしまうらしい。茎をスパッとカットして発根を待つのと、どちらのほうが成功率は高いんだろうか。わからないが、バッサリ切る勇気はない。取り敢えず根の土をなるべく綺麗に洗い落として、根の半分くらいが浸かるほどの水につけて様子を見る。なんとか生き残ってほしい。ごめんな、虫を我慢できる器量があればな。

ハートホヤの移行が終わったあとはまたどっと眠気に襲われて、それから夜までひたすら眠たかった。冬の早起きは身体によくない。

1月27日(土)

来月また漢検を受けようと思い勉強しているが、四字熟語が難しすぎる。全く覚えられない。同じ熟語を何度も何度も間違えている。学生の頃だったならもう少しすらすらと覚えられたはずなのに。歳による衰えなのか。

間違えるたび、泣き笑いしている絵文字のような顔になって投げ出してしまいたくなるが、それはそれとして、全く聞いたこともない四字熟語を調べていると、なかなかいい言葉だなと思えるものが多くて結構面白い。覚えるついでに気に入った四字熟語をまとめてみようかな、とか思うくらい。今日いいな、と思ったのは「春日遅々」。春の麗らか日のことをいうらしい。いい。座右の銘にはならないけど、座右の銘にしたい。

「附和雷同」とか、そりゃ由来はあるんだろうけれども、なんでこの意味でその四文字なんだ! と簡単に連想させてくれない四字熟語というのも、腹は立つけれど面白い。忍たまの不破雷蔵で覚えているので、いつも附和と不破を間違える。

たった8ページの四字熟語を覚えるだけに12時間くらい時間をかけている。勉強の仕方が非効率的なのはわかっている。もっとスムーズに進めたいが、コツコツやらねば不安になる性分が抑えられない。要領が悪い。もう少しうまいことやりたい。

1月28日(日)

夕食の間、母と子を持つことについて話す。今のところ、恋人はいなければ結婚願望もなく、将来的に子供が欲しいと思ったこともない。けれど、人生とは何が起こるかわからず、いつでも産めるような身体を保つことが、ひいては自分の健康に繋がるからと母に勧められて、今年こそ産婦人科に行きたいと思っている。生理不順とPMSから来る落差の激しい気分の浮き沈みをどうにかしたい。なかなか踏ん切りがつかないけれども。

他人と暮らす辛さや子供を育てる辛さを想像すると、一人で生きる辛さで十分だと思ってしまう。満足に自分を愛していられないのに、人まで愛している余裕はない。母は「子育ては辛いこともたくさんあったけど、その何倍も幸せがあった。子育てすることで、自分の内にこんな素晴らしい幸せがあったんだと気付かせてもらえた」から、家族をつくり、私たちを産んでよかったと言う。

母曰く「生まれ持った家族は選べないけれど、好きな人は選ぶことができる。好きな家族を掴み取ることができるから、血の繋がる家族より、好きな人と生まれた家族の方が大切になる」そうだ。そういう考え方か、なるほどな。と思いながら、ならば自分はつくづく血の繋がった家族に恵まれているな〜と、ひっそり感謝した。

@minamonu
文章を書くのが好き。ネイルと観葉植物と編み物も好き。少し前の日記を晒したり。