最寄駅にいつの間にか笹の葉と短冊が現れた。
それも結構な広さ一帯を占拠しているので、迫力がすごい。
友達同士で、何書く何書く?と相談し合う2人組を微笑ましく眺めつつ、サラリーマンが1人でみんなの願い事を眺めている様子を意外に感じた。
リュックなんて前に抱えて、ゆっくり見る体勢万全じゃないか。
人の願い事を眺めることに少しだけ気は引けたけど、興味が勝って、私ものぞいてみた。
自分についての願い事を書く人はもちろん多かったけど、同じくらい自分ではない誰かの幸せを願う内容の多さに驚いた。
願い事を聞かれるタイミングなんて、七夕くらいしかないだろうに。
人生で何度かしか聞かれない願い事を考えたとき、誰かを想って願いを込める、という選択をする人の多さに感動してしまった。
見れば見るほど、涙が込み上げてくるくらい。
人と人が関わることの難しさを実感して、うんざりしてしまっていた矢先に、人間の愛おしい部分を気付かされた気がして、より感動してしまったんだと思う。
もう人間なんてやめたいって思うときもあるけど、同じくらい人間って捨てたもんじゃないって思わせてくる世界なんだよなー。
七夕当日。七夕の話をするのは忘れたけど。
いつも大事なことを心にぽんっと置いてってくれる人に会えたので、私はまた大事なものを見失わずに明日も生きていけるのでしょう!