日曜日の朝7時。
渋谷行きの電車には私以外誰もいない。
朝日がちらちらと窓から差し込んでいて気持ちがいい。
高校生の頃のテスト帰り、各駅停車に揺られながら帰った日のことを思い出す。
毎朝、最悪な気分で起きていたし、満員電車の中で貧血を起こしながら、通学していたし、部活なんて行きたくなかったし、家にも帰りたくなかった。
どこにも居場所を感じることができなかったけど、人が少ない各駅停車に乗って帰る時間は、ぽかぽかしてうとうとしながら、だんだん日常と切り離されて、なんだか好きな時間だった。
ケータイをいじらずに、ぼーっと外の景色を眺めていても、気が散らないし、誰の目も気にしなくて済んだ。
あのときの私にとって、そういう少しの時間の積み重ねで、なんとか繋ぎ止めていた。
だからすごく大切な時間。