ひさびさに疎遠になりつつある女の子からLINEがきた。
「とてもいい曲があって、おすすめするなら◯◯だと思った。感想はいらないから、ぜひ聞いてほしい。」
という内容。
彼女は小学5年生の頃から中学受験のために通っていた塾で出会った、中高大同じテニス部とサークルで過ごしてきた3人組のうち1人。
こんなに長い時間、誰かと同じ環境にいれることはそうそうないと思うから、本当に貴重な縁だったと思う。
それなのにコロナ禍を経て、それぞれ価値観が合わなくなっていることに気づき、大学卒業後、パタリと会わなくなった。
あんなに毎日一緒に電車に乗ってダラダラとカラオケやマックで過ごして、なんでも共有していたのに。
こんなにもあっけなく壊れてしまうものなのかとどうしようもなく落ち込んだ。
あれから数年が経って、細々と誕生日メッセージだけやりとりが続いている。
2人の誕生日を忘れることは今後おそらくないだろうから、もしかしたら誕生日メッセージのやり取りだけは続くのかもしれない。
おすすめされた曲を聞いてみたら、いろんな感情が押し寄せてきた。
中学校で初めてカラオケに連れて行ってもらったこと。
休日はボロボロなカラオケで1日中飽きずに歌い倒して過ごしたこと。
お決まりの定位置。
3人それぞれの十八番。
好きになった曲はすぐ3人で共有していたから、それぞれなんとなくお互いのプレイリストを知っているようなもんだった。
いいな、と思った曲を誰かに共有したくなる気持ち。
そして当たり前のようにそれができていた当時。
なんて尊い時間だったんだろう。おすすめされた曲を聞いていたら、いろんな想いが溢れてきて泣いてしまった。
また私を思い出して曲を共有してくれたことがとても嬉しかった。
同時に寂しかった。
最近読んでいた本に、関係性は一度壊れてしまっても丁寧にひとつひとつ紡ぎ直していけば修復可能だと書かれていた。
本当かな。
諦めてたけど、もし本当なら。
そんな未来もあり得るのかな。