久しぶりに大雨の中、外を歩いた。
風が強くて、容赦ない雨。私の太ももは寒さで真っ赤になっているだろうなという寒さだった。
最近はお気に入りの傘に買い替えたので、雨の日でも外に出るのは嫌じゃなくなった。
もともと雨の日が嫌いだったわけじゃないけれど、やっぱり靴下と靴の中が濡れてぐしょぐしょになるのは、気持ち悪い感じがする。
雨の日は、なんだかまちの人みんなの雰囲気が変わる。
今日も行きの電車のホームは、少ししんとしていた。
一番わかりやすいのは中高生のときの教室の雰囲気。
どしゃ降りの中、満員電車に乗って学校に着いたみんなは、ひと仕事終えたような達成感に包まれているような気がした。
雨で何もかもが濡れているので、もはや吹っ切れて諦めがついている感じとか、いつも綺麗な髪型を維持している女の子が雨でちょこっと癖っ毛が出ていて無防備な感じとか、部活が中止なことが確定して安心する気持ちとか、いつもより男子が群れて騒いでいる感じとか。
教室全体がちょっとだけふわっと浮ついている感じ。みんながそわそわしていて、いつもと違う教室になる感じ。
あの感じはなにがそうさせているんだろう?
ジブリの「耳をすませば」では、あの教室の空気を見事に表現してくれているから、あの感じを私は忘れなくて済む。
雨の日は、あの感じを思い出すから、そんなに嫌いじゃない。
だけど、寒くて風邪ひいちゃうから、あったかいお風呂に入ろう。
あと大事な日には、雨降らせないでくれると嬉しいな。雨女だったけど。