「この辺こんな感じなんだ、初めて通った」
「うちの親戚あそこのマンションに住んでんだよね」
「あーあっこか、なんか新しくなったんだっけ?この前元のとこ見たら更地なっててびっくりしちゃった、てかこの辺いぬ多くない?」
「多いしボルゾイいる」
「ボルゾイいんだ」
「ボルゾイいる、いるし細い」
「いるし、とかではない」
「あとあそこのケーキ屋さんなくなって違うお店入った」
「えーテレビでやってたとこ?ふーん」
「ほら中学校も新しくなってんだよ、あれも併設で」
「あらほんとだ、なんでもかんでも綺麗で便利になるねえ」
「なったけど、道にガキたまりまくり」
「ガキとレシートはたまるからね。晩御飯のこととか全く気にせず暗くなるまで話してすごかったよね」
「お腹空くまで話しててオッケーというルールがあったね、レシートは捨てた方がいい」
「そうだよ、そしてあっこはまた違うラーメン屋さん入ったの?世襲制?」
「何入っても上手くいってないっぽい、デカネズミでもいんじゃない」
「デカネコってなかなかいないから可哀想」
「いたら飼うし」
「飼わないよ」
「この辺は○○って名字だとお金持ちのおうちだね、ここもそうだし」
「地主かなんかってこと?」
「そう」
「へあ〜、この辺低いから洪水なんか大変そうだけど」
「古くから建ってる家は高めにしてるっぽい、新しいのは舐めてるから低いけど」
「ほ〜ん、、、、、、なんか、大人になったよねえ」
「なったね、ガキの頃なんかその時の景色しか見えてないからね」
「今の景色見て昔の景色も見えちゃうからねえ、大人は」
「さ、ココス行こか」
「なに食べる?」
「え〜〜〜、ガリッガリのポテト」
「歯ぁ欠けさせた方の勝ちね」