大好きなPodcast「over the sun」 でデパートの思い出がテーマだったので、私もつい書きたくなった。
地元八戸に「さくら野」という百貨店がある。昔はマルミツという名称で、その後ビブレになり現在に至る。
私にとってのデパートといえばなんと言ってもビブレで、小さい頃はファッション好きな母がここでELLEやクレージュの服を買ってくれた。
母や祖母が誰かにお祝いを調達するとなればビブレ一択。ホットマンのタオルや森英恵のエプロンなど、そういう感じの品々が揃っていた。
ビブレには、母行きつけのブティックがあった。セレクトショップというのかな?取扱い商品はミラショーンのバッグ、GIVENCHYのコートなどそういう感じ(再)。
私も幼い頃から母のコバンザメとしてよく店を訪れて、お絵描きをしたり本を読んだりボーッとしたりしていた。母の買い物は長いので暇だったけど、私には楽しみがあった。
店主の伊藤さんがめちゃくちゃ素敵だったんだよなぁ。はっきりした目鼻立ち、長いまつ毛に隙のないメイク。いつもヒールを履いて姿勢が崩れることがない。栗色の長い髪を綺麗に巻き、八戸の方言ではなく標準語を話していた。私が待ちぼうけしながら描いた絵を「子どもの絵って大好きよ」ってレジにちょんと飾ってくれて。母が試着している間に私と話してくれるのがもうとっても楽しみで、試着室のカーテンが閉まった瞬間にサッと振り返ってくれるとドキドキした。
東京に買付に行く時は BLUE NOTEに一人で行くと言っていて、その前に一人でワインを飲みながらご飯を食べると聞いて、カッコ良すぎてわけが分からなかった。
私が大学進学で八戸を離れるとき、エルメスのスカーフとお手紙をくれた。それから会う頻度は減ったけど、帰省する度に上品な笑顔でハグしてくれた。
私はスカーフを巻けるくらいの大人になれていないんだよなぁぁ、40歳なんだけど。
伊藤さんに会いたいな。