※ネタバレがあります
ヨルゴス・ランティモスの作品はその感想を言った瞬間に、その人がどんな癖を抱えて生きているのかが分かってしまう、そんな狡猾さに満ちたものが多い。本作もそうだ。
だからこそ、やや言いにくいが、この作品はかなりシニカルなコメディだと思った。原題"POOR THINGS"が示すように、映画を観ながら哀れだなぁと思う我々すらもおちょくるような構図は余りにも監督の性格が悪すぎる
考察はあまり好きではないが、そもそもベラは単に蘇生されただけで、赤子は自殺した際に亡くなっていたとしたらどうだろうか。単に電気ショックで蘇生した際に記憶を失い、また身体にも麻痺が残っていたのだとしたら。
そう考え始めると、そもそも彼女を哀れかどうかなんて考えていた我々の方が哀れに見えてくる。どちらでもいいじゃないか