わたしの闘いについて(仕事のこと)

mirin
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2022年5月に転職した。異業種で知識ゼロからのスタートだった。

すぐ違和感を感じた。内定後、入社前に会社に呼ばれ、面接した相手(一次面接:営業部長 二次面接:社長)とは違う人から話したいと連絡が来て、会社に行って1時間ほど話をした。その人は「CSO」だとのことだった。

わたしは営業職で、この人が私の上司になるということなので、なんだか妙に頑張って、いっぱい話したことを覚えている。

あたまのかたすみに、あれ?一次面接ではなした人が営業部長だったから、営業部長が私の上司なんじゃないのかな、と疑問がよぎったけれど、わたしの上司になると名乗る人に直接聞くこともできなくて。

初出社。そのころはコロナ禍真っ只中だったので、社員の半分以上はテレワーク。さらにCSOはコロナに罹っていてお休みで、一次面接で会った営業部長もほとんど会社に居なかったが、まあテレワークだしな、と思っていた。

社長も会社にほとんど居なかったが、まあテレワークだしな、と思っていた。

その後、営業部長も社長も辞めて会社を去った。

コロナから復帰したCSOが、出社するようになって、あれれ?が増えだした。OJTという名目でいろいろ研修をやったが、ちょろっと説明されただけで「あとは現場で…」となった。

わたしはCSOの商談にずっとひっついて、CSOの営業トークをそのままトレースするしかなかった。

CSOは、とても横柄な雰囲気のおじさんで、顧客との商談でも基本的に横柄だ。お客さんの課題をしっかり聞くけれど、ズケズケと「そんなことでちゃんとできるんですかね?」とか「予算いくらですか?」とか「いつまでに実施を決定できるんですか?」とか「次は決済権ある人を連れてきてください」とか、めっちゃ言う。見込みなさそうな時はあからさまに機嫌が悪くなり、商談中に興味がなくなるのが態度で分かる。

びっくりした。ほんとうにびっくりした。

それは、そういう"キャラ"として許される人に限ってできるもので、お客さんによっては毛嫌いされるだろうな、と感じたし、私がもしお客さん側だったら、この人ヤだなって思うタイプだった。この人がCSOという”えらいひと”だからそれが許されるところがあるんだろうな、とも感じた。

平社員・中途入社で知識も乏しい・女性 というわたしには、それをそのままお手本とするのは、とてもシンドイ。そんな”キャラ”でもないし、とても葛藤した。でも、お手本はソレしかない。

最初はまったくできなかった。やりたくないという葛藤もあったから。でも、これができないと売上が上がらず、売上が未達だと、毎週の1on1という名の行動管理ミーティングで、CSOから先週なにをやったか?を問われ、今週なにをやるのか、なぜできないのかを激詰めされることが分かったので、CSOの商談を完全にトレースして、ズケズケとお客さんに聞くような商談をするようになった。

やらないと、短期で売上が立たないのだ。売上が立たないと毎週激詰めされるのだ。だからやるしかない。お客さんがどう思っているのかなど、あまり考えないようになった。とにかく早く、できるだけ多い金額で、客にとにかく発注をもらうこと。そのためにはどうするのか、どういう手段が、どういう手法がとれるのか、そればっかり考えるようになった。

あれれ。わたしが転職してまでやりたいことって、こんなことだったんだっけ?

自分がやりたかったことや、やれていたこと。これまでわたしの強みだと思っていたこと、と、いま仕事で求められることに差がありすぎて、引き裂かれていく。

長らく営業をやっているので、売上が上がって自分の数字になることはうれしい。理不尽な高すぎる目標だったとしても、その目標がじぶんの頑張りで、もう少しで達成できるかも?となるくらい、売上が積みあがっていくときなんか、ワクワクしたり、やったぞ!とうれしくなったりするんだけど、

ずっと心の底で滓のように 『顧客をダマしている』 という気持ちが溜まっていく。

この仕事。だれも幸せになってないんじゃないか?

いちどぶつけてみたことがある。ダマして売ってるみたいでつらい。と。

CSOからの答えは、

「仮に顧客自身が『自分たちだけでできたこと』だったとしても、外部の会社を入れて、箔付けすることに対して金を払ったんだと思えば、問題ない」

それはもう・・・、宗教じゃないか。

時間が解決する、でも今はつらいから何かにすがりたいという人に 「こういう神さまを信じてお金を出したら救われますよ」と言っているのと、何が違うんだろう。

そろそろ、わたしが何をしているのか分からなくなってきたので、転職先を探している。

ほかにもいろいろとハラスメントがあって、そのたびに葛藤したり考えたり戦ったりしている。

仕事につぶされるくらいなら、次を決めずにやめようかなとも思いはじめている。