黒革の手帖(2004)@2024-05-26

mirko-san
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Netflixで黒革の手帖(2004)を見た。主演は米倉涼子。ドラマ全7回。ちょうどいい分量

これがなんとまあ、面白い!

このドラマの何を魅力的に感じるかというと、主人公の元子はずっと過去に囚われ続けているところなのかなと思います。

元子は二つのことを望みます。ひとつめは「お金に復讐する」ふたつめは「他人に束縛されない」です。この元子と対照的な登場人物たち。お金と共に生き、他人と共に(協力したり、利用したり、利用されたりして)生きる人々との対比が面白い。

この作品を捉え直すと「人を"お金との付き合い方""他人とどう関わるか"で捉えたとき、どうなるか」を楽しむ舞台装置として「脱税・横領・恐喝・銀座のクラブ」があるのかなと。

元子は過去に囚われ続けています。

元子は作中で頻繁に「誰も愛さない」「男に支配されたくない」といったことを言いますが、これは今思うと「過去に囚われている限り他のものに囚われることはできない」ということかも知れません。その不器用さ、孤独を思うとなんとも元子が愛おしく魅力的に思えるのです。

調べたところによると、2004年版のドラマは松本清張の原作とはラストがかなり違う展開のようで。

思うに、元子が新しいものに囚われてもうお金への復讐とか言わず金輪際敵を増やさないためには安島に囚われるしか無かったと思いますが、その安島との関係は原作ではどう描写されたのか、気になりました。