
コーヒーをまいにち仕事しながらカポカポと飲んでいる。豆から挽いてハンドドリップで淹れたりするのも時々やるけれど、日々仕事中に飲むのはネスプレッソを氷たっぷりのグラスに抽出したアイスコーヒーだ。かんたんだからね。
と、まあ自分はアイスコーヒーだいすきマンなんだけど、コーヒーをおいしく手軽に飲めるようにしよう、というコーヒーマシンの類で「アイスコーヒー」にフォーカスした製品ってあまりない。それはそうといえば、それはそう。なんだけど。
ただ、しばらくまえにTechnoEdgeのイベントで飲んだ「COLDRAW」による水出しお茶のおいしさはすごい衝撃だった。ともかく、うまい。この体験からも、「水出し」のポテンシャルはアイス飲料派の自分としてはとてもとても気になっている。ああいうのを家で日常的に飲めるようにしたい。
でも「COLDRAW」自体はまだまだ開発中で、市場には出てこなさそう。デモのあと半年待ってみたんだけど特に続報もなさそうなので、いったん今ある製品を買って「水出し」のポテンシャルを体験してみることにした。のだけど、そうしたらまんまとハマったのだ。手軽で、おいしいじゃん、これ!
真空抽出の水出しコーヒーメーカーは、何機種かある

調べてみると、真空抽出することで高速に水出しを実現するマシンは何種類かあるみたい。COLDRAWはそういう従来製品よりもはるかに真空に近い気圧まで持っていけるところが違いだ、とテクノエッジ記事にはあるけれど、そのCOLDRAWが手に入らないんだからまあしょうがない。手に入るもので試してみるしかない。ざっと見てみると、定番の製品としては、Epeios, グリーンハウス, Seiira, Toffyあたりがあがるみたいだ。
どれもこれも機能的には似たり寄ったりではあるんだけど、掃除のしやすさとかバッテリーの有無とかに細かく差違があるみたい。
今回自分はこのなかで「Seiira」のやつを買った。ヨドバシ店頭にもあったので、というのが大きな要因だったけど、正直これはどれを選んでもあんまり変わらない気はする。
っていうか、これは何をする機械なのか

コーヒーやお茶は、一般的にお湯で抽出する。けど、常温の水でも抽出できないことはない。ただ、やたら時間がかかるのだ。ふつうに「水出し」でコーヒーをつくろうとおもうと、ポットに水とコーヒー粉を入れて、10時間放置とかしなければいけない。なので、「次の日に飲みたいコーヒーを、前日に仕込んでおく必要がある」のだ。正直、飲みたいときに好きな量飲めない、のはクッソだるい。
ところがこれらの真空抽出機をつかうと、10時間かかる抽出を5分〜15分で終わらせることができる。ボトル内空気の減圧→加圧を繰り返すことで、コーヒーやお茶の成分を水に引っ張り出す、みたいなかんじだ。1時間2時間でもなく、5分〜15分。こうなってくると気分的には「のみたいときにつくる」で充分間に合う。事前に仕込まなきゃいけない、のとは体験として大違いだ。
一般的に「水出し」のお茶は苦み・渋みが抑えられ、甘み・旨味が引き立ち、スッキリした味わいになるといわれている。それが、時間をかけずに作れるんだからこれはいい文明だといえよう。なお、試飲レビュー動画とかを見てみても、普通の水出しと、短時間真空抽出水出しの間で大きく味に違いはないみたいだ。
いろいろためす。そしてハマる。


コーヒーだけじゃなく、煎茶・玉露や紅茶なんかもやってみているけれども、どれも15分でちゃんと水出し抽出できるし、とてもうまい!
言われているとおり、実際にどのお茶でも渋み・苦み・エグみが抑えられ、甘み・旨味が感じられる。スッキリと飲みやすく、そして冷やして飲むと本当においしい。そこらの安物のティーバッグから抽出した紅茶が、とてもさっぱりした味わいの美味しいアイスティーになる。なんでもっとはやくやらなかったんだ、って思うくらいだ。もう夏終わっちゃうじゃんよ!
ちょっと工夫をすると、楽になる


たとえば紅茶を抽出するときは、ふつうの紅茶ティーバッグをそのまま突っ込んでやるだけでいい。茶葉をダイレクトに使うと、正直抽出後の掃除がかなりめんどくさい。
お茶(煎茶・玉露)はミルで少し細かくしてやると濃く出るようだ。なのでそうするんだけど、これもそのまま入れると抽出後の掃除がクッソ面倒。なので、お茶用のパック(ティーバッグの外側だけ)が100均や無印良品などで売っているので、それを使うといい。終わったあとパックごと取り出してポイするだけだ。
コーヒーもそのままだとステンレスメッシュフィルタで微粉がコーヒーに混じるので、同様にパックに入れてしまう。特にコーヒーは一度に使う量が茶葉と比較しても多いので、使うパックは大型のものがおすすめだ。
お茶をアイスで飲むひとは、水出しするのだ!

水出しのお茶やコーヒーは、熱湯を通さないので、と衛生面を気にするひともいる。けど、これは長時間つけ置きする従来の水出しではなく、飲みたいそのときに15分で抽出し、その場で飲むお茶だ。雑菌が繁殖して…ってこともないだろう。
ただ、「その場で飲む」っつっても、今ある製品はどれも最低の抽出量が400mlとか500mlとかあって、さっと一人分というわけにはいかない。一度でけっこう量ができてしまう。2〜3人分を抽出するのはいいんだけれどね。
なんにせよ、飲みたいときにたかだか10分そこそこでおいしい、アイス向けのお茶が抽出できて、コーヒーでも、紅茶でも、煎茶でも、素敵な味わいになる。ティーバッグをうまく使えば、作るのも掃除もとても簡単だ。
冒頭で挙げたCOLDRAWのデモで飲んだお茶の衝撃には実はまだまだ遠いんだけど、普段使いにはこれでもじゅうぶん価値がある。あとは、COLDRAWのデモ体験との差が、レシピにあるのか、機材にあるのか。もうちょっと差が詰められないか、しばらく試行錯誤してみようとおもっている。とりいそぎ、玉露を濃いめに水出し抽出したお茶に、ほんの、ほんのわずか「味の素」を振ると距離が縮まった感じはあった。旨味成分をいかに茶葉から引っ張り出すかが鍵なんだろうなあ。
今回自分が買ったのはこれ↓