年末は少しだけ浮いている(くらいバタつく)

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お風呂場に窓があったらいいのにな、クリスマスソング流す15時

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行事ごとが好きなので、クリスマスが近づいたらクリスマスソングをかけながら過ごす。クリスマスが終わったらいそいそと正月飾りを買ってくるのが恒例になりつつあった。

クリスマスが好きというか、年末のあのソワソワした街の雰囲気が大好きなのであった。カルディでワインを買ってみたり、ホットチョコレートを作ってマシュマロを浮かべたり、ついご機嫌になってしてしまう。ご機嫌になって昼間っから風呂を沸かしている。

思い起こせば毎年年末はなんだかんだと忙しくしていることが多かった。蕎麦屋のバイトをしていた時は、年末にかけて忙しさが増していき、いよいよ大晦日は大行列のお客さんを捌くために一日中駆けずり回っていた。営業後に樽に残った生ビールと数時間早めのおせち料理で乾杯。天ぷらや蕎麦もどんどん出てきてすっかり大宴会になった。おせち料理といえば、おせちを盛り付けるアルバイトもしたことがあった。確か30日の午後までに受け渡しができるようにと、29日の昼すぎから日付を跨いで30日の早朝まで作業をしていた気がする。完成した料理が運ばれてくると、それをカップに小分けにして、そこからそのカップを一つ一つお重に詰めるのだ。体力的には軽い作業だったが、なにせ料理が傷まないように、部屋は冷蔵庫のように冷やされていた。とても寒かったのを覚えている。

きっと各地に地元のお正月ルーティーンというものが存在すると思うが、我々奈良県民はだいたい春日大社、大神神社(これで“おおみわ神社“と読む、不思議だ。ちなみに日本最古の神社だそうで)、橿原神宮あたりに参拝する人が多いと思われる。あとは東大寺の大仏殿の窓が特別に開いていて、大仏さんが顔を出しているのでそれを観に行く。神仏習合なんていうが、まさにそれで、正月の夜中に東大寺に行くのだ。それと、正月に欠かせない雑煮だが、奈良の雑煮は日本で唯一のきなこ雑煮だ。雑煮自体は関西風の白味噌丸餅の雑煮なのだが、餅を食べる時に一度お椀から引きずり出してきな粉に付けて食べる。ちなみに我が家は父も母も奈良の人間ではないので普通の白味噌丸餅雑煮である。

正月の昼間に奈良から電車に乗っていると、平城宮跡で凧揚げをしている人たちが大勢いた。宮跡といえど、なにもない原っぱなので、確かに凧揚げをするにはもってこいの場所だ。電柱も木もないし。かつて日本の中心として、貴族たちがあれやこれやと国を仕切っていたであろうその土地も、今では近所の名もなき人々が凧を揚げる広場になっていた。まさに平穏そのものだった。

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揚がる凧、横切る電車から見上げ、たしかここには都があった

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都の跡を堂々と突っ切る電車に揺られながら、そういえばここが都だったんだな、と思い出す。

@miu018
大学院生。同人活動とアルバイトとたまに研究。