よちよちと歩く妹手を引いて、勇んで乗り込む特急列車
2時間も車内で1人で何してた?分からないけどワクワクしてた
敦賀行き遠いとこまで行くもんだ、近い将来乗るかもしれない
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小学生の頃、まだ幼稚園児だった妹の手を引いて、北陸にあるおばあちゃんの家に二人だけで行った。京都駅で近鉄から乗り換える時に、小さな妹の手を必死で握って、伊勢丹のトイレに行って、そして駅弁屋で弁当を買った。それから、当時の私は京都駅にしかないと思っていた食べ物であるマネケンのワッフルを買って、おばあちゃんへのお土産とした。その時のことはもうほとんど思えていないけれど、マネケンの前を通るたびに、妹が背負っていたピンク色のリュックを思い出すのだ。
中学生になって、初めて一人旅をしたのは金沢だった。兼六園や21世紀美術館をひとりでじっくり見て回り、そして香林坊で買い物もした。始発に乗って金沢へ向かう道中、2時間ほどのサンダーバードの車内で、ひとりなので喋り相手もいないし、今のようにスマホもないのに、一体何をしていたのだろうか。
神戸に引っ越してから、新快速を利用するようになって「敦賀行き新快速」を初めて見た。本当に存在していたのかとちょっと感動した。姫路から敦賀まで、つまり兵庫大阪京都滋賀福井と一気に駆け抜けるのだ。こんなに長距離を走っても、特急ではなくあくまで新快速なのだ。普通運賃で乗れる。敦賀行き新快速に乗るたびに、これに乗って敦賀まで行っちゃうか〜何時間かかるんだろ〜なんて考えたりしていたが、この度の北陸新幹線延伸で、福井や金沢への所要時間はあまり変わらないくせに値段はめっちゃ高くなると聞いて、もういっそのこと本当に新快速で敦賀まで行ってやろうかという気持ちになった。
雷鳥はいつの間にかサンダーバードって名前になってたし、サンダーバードもついに金沢まで行ってくれなくなった。
関西人としてはあんまり手放しに喜べない北陸新幹線。