日記を週に一回書こうと意気込んだ正月の記憶も殆どない一月の終わり。大寒を過ぎ寒さのラストスパートに見舞われ、布団にくるまってゲームをしたり、Xを見たり。とはいえ昔ほどののめり込みは無く、呟きもリアルにはするものの、わざわざ載せる事も減った。代わって本を読んだり、ラジオをよく聞いている。今は寝る前にTBSラジオの「深夜特急」の朗読をスマホのアプリで途中から聴き始めた。
私はあまり海外渡航経験が無いので、間違いなら申し訳ないが、1970年代の日本からロンドンの旅が現代と違和感なく聴こえてくる。お恥ずかしいが、文庫本は1巻か2巻で高校時代に挫折。何故なら主人公がインドでチャイばかり飲んで中々先に進まなかったからだ。
先日聴いていた時、マドリードに主人公は滞在していた。相変わらずのマイペースぶりで、30分の朗読の中では「明日もマドリードっすね」と言わんばかりのノリで現地人とおしゃべりをし、その関わりの中から日本人というか、価値観やら生き方についてぼんやり考えているようだった。語り部が斎藤工さんなので、かっこよく聴こえるが今もシンプルに「重い腰が上がらない」青年に聴こえる。とはいえ、私自身が毎日生活に追われる様になると、その重い腰がとても羨ましく「若いときに旅をもっとしたかったな」とついつい毎晩聴き入るのである。多分高校時代は毎日の24時間が長く、チャイだって沢山飲めた。打って変わって今ではお昼に午後の紅茶を一気飲みな自分。このゆっくり旅が本当に羨ましい。あの時と自分の時間の速さが変わったからこそ分かる味わいがある。青年は生き急ぐことをしていない。時間がゆっくりとながれ、時を大切に使っている事が伝わる。期限やいつまでも出来ないと分かって居ながらも。
自分の人生とちょっと向き合う時間があったらなと思うことが増えたのに、正月休みだって他人に使ってしまう。だから、暫くは朗読を聴いて30分はその土地に身を置いた気になるのもいいか、と楽しんでいる。昔ほどせっかちでもなくなったので大して腰の重い主人公にイライラしなくなっている。ちょっと立ち止まって、思考を止める。少し幸せだと思う。ただそれだけだけど。
1/31は深夜特急のスペシャルがあるらしい。そうか、もうゴール間近だもんね。と図書館で早速、深夜特急の予約を入れた。