「ドリルを売るには穴を売れ」を読んだ

miyaoka
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  • よくネットで擦られがちな格言のマーケティング本。出版は2006年だからもう20年くらい前らしい。内容は専門的な解説パートとストーリー仕立てのドラマパートが交互に語られて分かりやすく面白かった

  • ドラマ部分は新人マーケッターの女の子を主人公に、成長を見守る上司と凄腕コンサルのいとこに支えられてイタリアンレストランを立て直していく話。最後の方は美味しんぼの料理対決みたいになってた

  • 自分は別にマーケティングをやってるわけでもレストランをやってるわけでもないけど、toC向けのwebサービスを開発している立場としてはそりゃそうだよなーと感じるところがあった

  • 特に現場であるレストランのシェフとマーケッターである主人公は最初は相互に不理解の関係にあり、シェフというのは開発者の立場に近い

  • よく「エンジニアも経営目線を持て」という話が言われがちだけど、この本のシェフは最高の素材で最高の料理を作るのが己の使命だと思って疑わない。けれどレストランの立地や客層、コンセプト的に求められるニーズを理解しなければそれはマッチしないし、レストランに来る客は料理の美味しさのみを求めてるわけではない

  • もちろんソフトウェアエンジニア仕事であれば料理素材や調理時間という物理的なコストがかからない部分も多いので、単純に技術スキルを追求し、最高の技術を用いて最高のプロダクトを作ってしまってもかまわんのだろうというのも理想としてはある

  • それでも最高というのはさまざまな観点から一点には定まらず、高級レストランよりも安い・早い・美味いが求められることも多い

  • なので顧客のニーズを理解し、事業の業績に結びつく目標設定をちゃんと考えた上で「なんのためにこれを作ってるのか」は意識するべきだよなーと思った