「Expeditions: Rome」をクリアした

miyaoka
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  • 共和政末期のローマをテーマにしたゲームをちまちま進めててやっとクリアした(難度はノーマル)

  • XCOMみたいな戦術パートと軍団による戦略パートで進んでいくRPG

タクティカルな戦闘パート

  • メインとなるのはXCOMにようにヘックスのマップで行われるターン制のバトル

  • 古代ローマが舞台なので近接攻撃がメイン。遠隔攻撃は相手が盾持ちだと防がれる。まずはピルムや通常攻撃で相手の盾を削ってから攻撃を加えていくという形になる

  • 後半になるといろいろスキルが増えて戦術の幅が広がってくる。軽装兵は長距離を走るスキルと開幕2ターンは強力な奇襲攻撃が行えるスキル、そして再行動が可能になるスキルを組み合わせると暗殺者のように一度に何人も倒してくれる

  • 射手は待ち伏せ射撃するスキルで監視しておくと複数回撃てるのが殲滅力高い。盾無しの歩兵が突っ込んでくるところに張っておけばバッタバッタとなぎ倒してくれる

  • 一応遮蔽の概念はあるけどだいたい盾持ちが前面に立つのであんまり考慮する必要は無かった(高難度だと違うかもだけど)

  • 使い切りのアイテム(基地で補充できる)はかなり強力で、行動値を消費せずに使えるのも便利。マップ上に落ちてることも多く、とりあえず焚き火から松明拾って投げつけたり逆に投げつけられたりする

  • 火炎瓶なんかは一度に多くの敵に継続ダメージを与えられるし、進路を制限できるのでここぞというところで使うと大きく戦局を支配できて楽しい

  • 戦闘が終わると戦利品が得られる。倒した敵兵をクリックして回収していくのがただの作業なんだけど、なんか嬉しい感じはする

  • 各章のラストでは複数パーティによる攻略戦となり、メインパーティ以外も使う必要が出てくる。回復なしで連戦するのでなかなかむずい

世界観

  • 主人公は軍団を率いる執政官となり各地に遠征していく。小アジア、北アフリカ、ガリアといった特色ある風土、遠征先で多くの時を過ごす軍団キャンプや、ローマでのやり取りなどこだわりが感じられる

  • クレオパトラやウェルキンゲトリクスなどの有名人も登場してストーリーに関わってくる

  • じゃあカエサルはどうしたの?ってなるけど、このゲームでは頭角を表す前に死んじゃったという設定。なので主人公が史実のカエサル的な立場になるし、そこでどう振る舞うかは自由なIFのストーリー展開になる

  • ストーリー的に細かい分岐がいろいろあって、誰を生かすか殺すかなどが選択肢によって変わってくる。生かすことで後に協力を得たり、殺すことでその場でユニークアイテムを得たりする

  • クレオパトラが即位するかどうかといった史実と違う選択も取ることが可能で、エンディングで描かれる各キャラのその後もいろいろ用意されている

  • エンドクレジットで「この作品では、この魅力的な時代の歴史を、真実かつ正確に再現することに全力を尽くしました」「資料を調べたりしているうち目につくようになったのが、物語がまったく違う結果になっていたかもしれない重要な瞬間だ」と語っていて、そういうところに力が入ってるんだなと感じた

翻訳のガバさがつらい

  • このゲームを日本語でプレイしていると、機械翻訳のように意味を把握するのが難しい。会話ではなんとなく雰囲気は感じられるけど、内容は何言ってるのか良くわからないということがしばしば起きる

  • 戦術パートで重要なこのゲームの兵科も翻訳が間違っているので混乱する。英語だと以下の4種類

    • Veles(ウェレス、軽装兵)

    • Princeps(プリンケプス、第二戦列兵、重装兵)

    • Triarius(トリアリウス、第三戦列兵、古参兵)

    • Sagitarius(サジタリウス、射手)

  • これが日本語訳だと

    • Princeps→トリアリウス

    • Triarius→重装歩兵

  • と、逆の意味になっており、日本語ユーザーはもれなく混乱するはず。重装歩兵と書いているのに盾や重装鎧が装備できず、その役割はトリアリウスのほうになる

  • 実際PrincepsやTriariusについては定まった日本語訳が無いので難しいところだけど、そのままプリンケプスとトリアリウスか、もしくは重装兵と古参兵であればよかった

  • (中国語だとVeles, Princeps, Triariusが少年兵、壮年兵、成年兵となっていた)

  • このへん用語辞典でもトリアリウスの取り違えが起きているので、ただの機械翻訳じゃなくて人力によるものなんじゃないかと思う。船長を表すTriarchusをつづりの違うTriariusとしているのは目で見て間違えて入力した感じする

だるい戦略パートがつらい

  • 各地に軍団兵を派遣して征服していくけど、軍団バトルはカードゲームで3択を4回やるだけでまあ~~これが駆け引きの妙味とか全然無いのでなんの面白みもない

  • そして街を征服後に土地を平定するためにはもう一つミッションを達成する必要があり、それがなぜかサブパーティでの戦闘

  • 前述のように各章のラストバトルではサブパーティも加えた総力戦になるので強制的にサブパーティを使わせたいんだろうけど、装備やスキルの管理をメイン以外もやっていくのがめんどい

  • XCOMと違って負傷や死亡でメインメンバーが離脱するということが基本無いので、わざわざ入れ替えを考慮したメンバー構成にしづらい

  • クエストパートは微妙な日本語訳で話を聞いておつかいしていく

  • ローディング中のTIPSでこのゲームは時間制限が無いよと言ってて、たしかにXCOMのように時間や取捨選択判断がシビアなゲームに比べるとRPGらしく万全に準備を整えて進めたいときにだけ進められる気楽さはある(メンバーが負傷して離脱しても時間制限が無いので回復するまで待つだけ)

  • とはいえなんかこの緊張感のなさが戦略パートのつまらなさでもあるし、クリアまで時間がかかるのでせっかく高難度やマルチエンディングが用意されててもやる気にはならない感じする

  • あと、街中では戦術パートと同様にポイントクリックして移動するんだけど、遠いと場所だとポイントした地点までキャラが走ってくるのが時間かかる。用事を終えたときに街から出るコマンドも無く、毎回わざわざ出口を探してクリックしてそこまで走らせないといけないというのがめちゃくちゃだるくてつらい


  • まあいろいろつらみはあるけど、装備やスキルを考えて戦うターン制の戦術バトル部分はだいぶ面白かったし、古代ローマっぷりを味わえたので良かった