2016年に1500人ほどが集まる大規模なHTML5カンファレンスが開催された
当時はAtomやVSCodeなど新興のIDEエディタが出てきたことによってエディタ界隈が盛り上がり、「四大エディター真夏の大決戦!」と銘打って各エディタの派閥の人がその魅力をプレゼンするセッションがあった
VSCodeは当時ベータからリリース版になったくらいだったと思うけど、自分は出た当初からハマっていて今でもずっと使っている
それまでデファクトスタンダードだったSublimt Textだといろいろプラグインをセットアップしてようやく使いものになるのに対し、VSCodeではデフォルトの状態でも十分まともに使えるというのがいいなと思った最初のポイントだった
特に元々Sublime Textを使ってがっつりとコードを書くという経験をしてなかったので、比較的早く新しいエディタを受け入れやすいタイミングだったと思う
また、Visual StudioといういかにもMSっぽい重量級IDEのイメージとは全然違って、新時代の軽量エディタというのも可能性を感じられるポイントだった
https://x.com/bitgleams/status/771976242199310336
このセッションで印象に残っているのは、Sublime Textの登壇者が「プラグインを300個入れてもまともに動く」ということをウリにしていたことだった
それを受けてWebStormはウチでもそれできますよとタイピングするたびに燃えるエフェクトが走るパフォーマンスをしたりして盛り上がっていた
対して、最後の登壇になったVSCodeは我関せずといった面持ちでMSの人が淡々とエディタの紹介をしていて、なんだかそれがとても好ましく思えた
で、何が言いたいかというと昨今AIを軸にしたCursorのような新しいエディタが出てきてもなかなか乗り換えるのが難しいなと感じてしまっている
ほとんどVSCodeと同じはずなのに、cmd+Kから始まるショートカットはAI用にアサインされてしまっていて従来のショートカットが使いづらいし、いろんなところで手に馴染まないなと感じてしまうところがある
そのたびに思い出すのがあの日のカンファレンスの300個のプラグインだ
ベセスダのゲームをmod入れて遊ぶ人なら分かると思うけど、プラグインを大量に入れるほど自分好みの環境になる一方でバニラの環境からはかけ離れてしまうし管理が難しい
一度そういう自分好みにカスタマイズした環境を作ってガッツリ馴染んでしまうとなかなか離れることができない。いま自分はあの日のSublime Textになっているのではないか
かつてのIDEエディタに対するvimやemacs、VSCodeに対してのSublime Text、Cursorに対してのVScodeといった具合に流れは繰り返されてゆく