
知人に誘われて古民家カフェでご飯食べつつ持ち寄った本を発表する会に参加した
こういうのって初めてだけど、けっこう面白かった

今回は夏がテーマということで、夏の話だったりその人にとっての夏のエピソードが踏まえられていたり、あるいは特に夏とは関係ない本も
「これ、まだ読んでないんですが」みたいに紹介するのもあったので、ああそんなんでもいいんだって思った
持ち寄った本を並べて見てみるとほんとバラバラだし全然出会うこともなかったな~~という本ばかりなのでなんかこういう体験は面白いなと感じた

夏といえば、ということで自分が出したのは「なめらかな世界と、その敵」
「うだるような暑さで目を覚まして、カーテンを開くと、窓から雪景色を見た。」…という矛盾した一文から始まるSF話
スティール・ボール・ランのD4Cみたいに、並行世界の自分に乗り換えることがみんな当たり前にできる世界において、一つの自分のみしか知覚できない(現実世界の我々のような)人は「乗覚障害者」して扱われる
みんなパラレルに生きてるから前述の書き出しのように文章自体が同時並行になってるのが特徴

あと夏とは関係ないけどaudibleで聴いてあまりに良かったので改めて文庫本も買ってみた向田邦子の短編集
向田邦子って橋田壽賀子や山田太一などと並んで昭和のテレビドラマの脚本家ってことは認識してたけど、本作で直木賞を受賞して小説家としてはこれからってところで飛行機事故で亡くなってしまったらしい
読んでからちょっと時間が経っちゃったのであんまり言語化できてないけど、とにかく短編ドラマの切れ味が鋭い!! 男女の抱える情念みたいなのが心の底に秘められたまま年月を重ねてドロドロに熟成されてるんだけどそれが日常シーンのリズムの中にふっと出てくるときにドキッとする

こちらは「40℃超えの日本列島でヒトは生きていけるのか」という本。中身はまじめな科学の本らしく、タイトルはかなりキャッチーになってるとあらかじめ筆者が断りを入れてるのが良いって紹介されてた
谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」も紹介されてた
暗い部屋で羊羹を食べる話。オモコロで原宿さんがやってたやつだ、って思い出した