津村記久子「うどん陣営の受難」を読んだ

miyaoka
·
  • 妙なタイトルに惹かれただけだけど、倍速読み上げでサクッと1時間で聴き終わるので朝ランしながら聴いた

  • 4年に1度の会社の代表選挙(ってなに?)を巡る社内での勧誘や政治工作、告発などが渦巻くドタバタ劇

  • 主人公は決選投票前に脱落してしまった候補者の陣営なので傍観する立場。そこを支持してる理由も会合でうどんが振る舞われるから、という「うどん陣営」


  • 会社の内容や登場人物の名称など全般的に抽象的なものになっていて、具体的な何かというよりもどこの組織でも起こりうる話という感じ

  • 選挙をする会社で働いたことはないけどこれは国の選挙においても同じだろうし、利害に巻き込まれる有権者の滑稽さや諦念みたいなディティールが淡々と語られる

  • そういったところで主人公たちはうどんが好きだからというだけの集まりであるのも面白い


  • 全体的にユーモラスな感じで、戦中戦後世代のサラリーマン模様を描いた「江分利満氏の優雅な生活」をなんとなく思い出した

  • 高度成長期真っ只中の1963年に岡本喜八監督で映画化もされてて、現代から見てもかなりモダンで面白くて好きだな~と思う作品