大学生の頃からずっとひとり暮らしをしていて、実家を日常的な生活拠点にはしていない。
昨今は経済情勢も厳しく、立派に働く社会人であろうと、実家暮らしで得られるメリットは否定できない。
歳をとり段々と老いが目に見えてきた親を心配する気持ちもある。
それでも自分はひとり暮らしをしたい、実家に戻る気はなかなか起きないと思う。
それは実家を「自分の帰る場所」として確保しておきたいから。
実家には様々な思い出を置いてある。
母校の卒業アルバムや文集、幼い頃に読み耽った本、習い事の楽譜集、昔のゲームカセット、エトセトラ、エトセトラ。
それらと自分の日常の距離を少し離しておく。
実家の居心地の良さに甘えないように、でもそこが自分にとって帰ることのできる場所であるように。
盆暮正月に実家に帰省して、ふとそれらを目にした時、
「あぁこんな時代もあったな、昔の自分も頑張っていたんだな。」
そんな思いが胸に去来する。
そういったものが、きっとまた自分に頑張る力をくれると信じたい。