先に断っておくと、今日書くこの話は、特に参考にならないと思います。参考になりそうな雰囲気のタイトルなのにね。
最近、自分の中で再び厚塗りブームが来ているので、厚塗りを楽しんでいます。
厚塗りは私のゲーム制作には向かない(レイヤー分けをしないので表情差分が作りにくい & 御用達の背景屋さんの背景と馴染みにくい)ので、この厚塗りをするのは完全趣味絵の時だけです。
自分では、この「厚塗り」と、ゲーム制作時の「線画主体塗り」の絵は結構違う絵柄だと思ってるんですけど、どうなんだろう。もしかしたら、客観的に見たらそんなに違わないかもしれない。
この厚塗りの手順は、以下のとおりです。
超雑で良いので1枚のレイヤーにラフを描く。この時、ポージングを決める
ラフを修正する。描きづらいところはレイヤーを分ける
遠目で見てみる
気になるところを修正する
遠目で見てみる
気になるところを修正する
遠目で見てみる
……
背景やエフェクトをサッと入れて終わり
要約すると、「遠目で見て、気になるところを修正する」をひたすら5時間くらい繰り返すということです。ラフをそのまま本番にしています。
途中経過は、こんな感じ。(ラフのデータは残っていなかったので、描いている途中に撮ったスクショだけ。)(手は毎度のごとく、自分の手の写真をトレスしています。)
これをそのまま描き足して描き足してを繰り返すだけです。こまめに「遠目で見てみる」を挟まないと、同じ箇所をずーーーーっと加筆修正してしまいかねないので、注意。逆にいうと、拡大したら雑になっている箇所も遠目で見た時に全く気にならないのであれば、もうそのままにしておきます。投稿してから間違いに気づくこともあります。
この描き方のいいところは、修正が楽なところ。
線画主体塗り(先に線画を清書して、別レイヤーで塗る方法)だと、気になる箇所を見つけても、その箇所を修正するためにやらなきゃいけないことが多すぎて手がつけられないことがあります。しかし、厚塗りなら「カット&ペースト(バーーーン)」「上から塗りつぶして修正(バーーーン)」と、少ない手順でがっつり修正できるので、満足のいく仕上がりにまで持っていきやすいです。細部にこだわりを詰められるので、性癖を前面に出しやすい。
私の厚塗りのやり方は、ねんど遊びに似ていると思っています。
通常、線画主体塗りの場合は先に枠があって、ある程度それに沿って塗っていくと思います。しかし、厚塗りの場合は、継ぎ足し継ぎ足ししていきます。ねんど遊びも「まず丸いのを作った」「猫を作りたくなったので手足と耳をつけた」「やっぱライオンにしたくなったのでふさふさの毛をつけた」みたいに、いっぱい継ぎ足しすると思うので、似たような感覚です。
一つ難点があるとすれば、とにかくレイヤーが少なくなるところ。
私の場合、厚塗り絵のレイヤー構造は「目(これだけは細かくレイヤー分けする)」「髪」「腕(手前のパーツ)」「「「その他」」」だけになりがちです。
服も、首も、顔も、耳も、小物も、ぜーんぶ1つのレイヤー。たまに面倒くさくなって、存在する全部レイヤーを結合します。
修正するときに数多くのレイヤーを確認したくないので、レイヤー数はめちゃくちゃ少ないです。なので、これを他人に共有して「笑顔差分を作ってもらう」とかいうのはできないと思います。本当に、己が己のためだけに作ったファイル。
本当に、この厚塗り技法で描くときは、己が楽しむためだけに描いています。