『Winny 天才プログラマー金子勇との7年半』をKindle Unlimitedで読んだ。
この裁判が行われていた頃、私はすでにプログラマとして働いていた。当時の私のWinnyへのイメージは、どちらかというと、コンピュータウイルスの感染原因になるソフトウェア、という感じで、悪いことしてる人がいるんだな、と、適当な理解をしていた。
あの頃は、IT関連の法律も整備されてきつつある頃で、著作権やコンピュータウィルス、個人情報などに対する意識は、まだまだ人によってかなりの格差があったように思う。そんな中で、悪いことをする人がいて、それに騙される人がいて、、、いつの間にか、Winnyは著作権法違反幇助の罪を着せられてしまった。
Winnyに関して、あの容疑が不当なのは確かだが、このような容疑をかけられることを避ける対策や配慮がWinnyにはかけていた、という見解に世間ではなっているかなとは思う。この本を読むと、金子氏のプログラミングへの情熱と純粋さが裏目に出てしまった事件かもしれないという気持ちになり、とても切ない。
全く違う話だが、去年読んだ、『フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔』を思い出した。ノイマンも天才的な技術者で、今のコンピュータがあるのは彼のおかげと言っても過言ではないと思うが、原子爆弾の開発にも携わっている。技術というのは、使い方次第で、幸せな世界にも悪の世界にもなり得るのだなと改めて思う。