エレベーターがまいります

mizutama120
·

どこかの雑居ビルの1階。

緑かかった薄灰色の壁と同系色に塗られたエレベーターの扉がある。そのすぐ隣には階段の入り口があって、数段登った先は左奥へ曲がっていて見えない。階段の脇に水道があって、勢いよく水を出しながら、夫が足を洗っていた。

天井には蛍光灯が一つついていて、薄暗い。

音もなくエレベーターの扉が空く。無人の箱の中に乗ると、何の前触れもなく扉が閉まった。振り向くと、何か言いたげな夫の顔だけが目に残った。

エレベーター特有の肩に重力がかかる感じ。下へ降りているらしい。回数表示のパネルを探すが見つからない。どこへ向かっているんだろう、と不安になる。

ふっと体が軽くなり、扉がまた無音のまま開いた。

扉の前には、青い作業着を着た男が立っていた。老けた榎本佑みたいな。ニヤッと笑って片手に持ったバケツを軽く上げ、顎の先を後ろへ回した。

エレベーターを降りた先は、三方壁に囲まれた狭い部屋で、正面は棚になっていた。洗剤、バケツ、タオルなどがぎっしり詰め込まれている。

私もモップとバケツをとって、佑そっくりさんの後へ続き、今乗り込んできたエレベーターの床を拭き始めた。

ひとしきり掃除して振り返ると、誰もいない。周囲は無音。

これからどうしよう。また不安になって立ち尽くす。

そこで目が覚めた。

エレベーターの夢は私の定番。

夢日記をつけていた頃、この夢を見た後はいつも何かが起こることに気づいた。

今回は何があるのかなーー

(でも御神籤、キョウだったしなー)

ワクワクする気持ちと不安が交差する。

今日から立春。

暦の上では春、ですね

もうすぐ旧正月でもあります。

新しい何かがやってくる そんな予感。