どこかの雑居ビルの1階。
緑かかった薄灰色の壁と同系色に塗られたエレベーターの扉がある。そのすぐ隣には階段の入り口があって、数段登った先は左奥へ曲がっていて見えない。階段の脇に水道があって、勢いよく水を出しながら、夫が足を洗っていた。
天井には蛍光灯が一つついていて、薄暗い。
音もなくエレベーターの扉が空く。無人の箱の中に乗ると、何の前触れもなく扉が閉まった。振り向くと、何か言いたげな夫の顔だけが目に残った。
エレベーター特有の肩に重力がかかる感じ。下へ降りているらしい。回数表示のパネルを探すが見つからない。どこへ向かっているんだろう、と不安になる。
ふっと体が軽くなり、扉がまた無音のまま開いた。
扉の前には、青い作業着を着た男が立っていた。老けた榎本佑みたいな。ニヤッと笑って片手に持ったバケツを軽く上げ、顎の先を後ろへ回した。
エレベーターを降りた先は、三方壁に囲まれた狭い部屋で、正面は棚になっていた。洗剤、バケツ、タオルなどがぎっしり詰め込まれている。
私もモップとバケツをとって、佑そっくりさんの後へ続き、今乗り込んできたエレベーターの床を拭き始めた。
ひとしきり掃除して振り返ると、誰もいない。周囲は無音。
これからどうしよう。また不安になって立ち尽くす。
そこで目が覚めた。
エレベーターの夢は私の定番。
夢日記をつけていた頃、この夢を見た後はいつも何かが起こることに気づいた。
今回は何があるのかなーー
(でも御神籤、キョウだったしなー)
ワクワクする気持ちと不安が交差する。
今日から立春。
暦の上では春、ですね
もうすぐ旧正月でもあります。
新しい何かがやってくる そんな予感。