背中の粉瘤の手術をしてきた。
麻酔をして切ったり縫ったりする手術は、親知らずの抜歯を除いて初めて。診察室の隣の部屋で出来る手術とはいえ、ベッドにうつ伏せになったときは緊張した。自分では見えない背中だからというのもあると思う。
私の緊張を察してか、先生が準備をしている間にベテランの看護師さんが話しかけてくれた。「頭の向きは、あれこれ器具が見えないこっちの方がいいかもね」と笑いつつ、励ますように腰の辺りをゆさぶった。そのタッチの塩梅が絶妙で、そわそわしていた気持ちが少し落ち着いた。
怪我とか病気とか、自分ではどうにもできない身の危険を感じるときは、言葉よりもボディタッチが効くんだなと思った。「手あて」という言葉を思い出した。
触れている時間やタイミング、力加減など、すべてがさりげなく完璧で、現場のプロだなと思った。
手術は30分程で終わった。何年も前から気になっていたこぶが取れて良かった。