好きな花は?と聞かれたら、真っ先に思い浮かぶのは蝋梅。淡い黄色い花びらが蝋細工のように見える花を木に咲かせる。春の沈丁花・夏の梔子・秋の金木犀と並んで冬の蝋梅として四大香木とされている。
特別植物に詳しいわけではないけれど、木に咲く赤・白・黄色の花に惹かれる傾向がある。
ある時歩いているといい香りがしてきて、それを辿って見つけたのが蝋梅だった。以降冬の楽しみになり、ただでさえ少なかった近所の蝋梅スポットが二件なくなってしまったから、自分で育ててみようかと思うほどには好きだ。
この蝋梅、他の四大香木ほどは知名度がないように思う。それでも蝋梅の香水を出しているところがあって、わたしも二本持っている。
下記リンク先:OSAJI公式Instagram
毎年冬に限定で発売されていたみたいだけれど、今冬はなかったみたい。
下記リンク先:武蔵野ワークス公式
どちらも『あくまで香水』であり、蝋梅から花の香りの香料は採れない(※)らしく、各社様々な香料を使って蝋梅の香りやイメージを作っている。
(※下記リンク参照:武蔵野ワークスblog)
どちらのブランドも香水としてはナチュラルな部類だと思うけれど、武蔵野ワークスの方が香りが儚い。(武蔵野ワークスのコンセプト自体が『優しい香り』)
OSAJIの蝋梅がオードトワレなのに対し、武蔵野ワークスはオードパルファムなのにこの違いはおもしろい。
あえてこのふたつを比べると、OSAJIの蝋梅の方が重く甘く強く、武蔵野ワークスのろうばいの方が軽く爽やかで優しい、といった印象だ。個人的な感想だと、武蔵野ワークスの方は冬の寒い日の外気に上手く混ざるとかなり実際の蝋梅に近くなると思う。蝋梅の香りを嗅ぐ時はだいたい冬の野外だから当然かもしれないけれど。
OSAJIの蝋梅は来冬発売されるのを祈って待つしかないが、武蔵野ワークスのろうばいは通年販売されている。※ただ、最近調合に使用されていた成分が生産終了になり、現行製品が売り切れ次第二か月の販売休止に入る。その後新たに調合されたものが販売されるそうなので、現行製品が気になる方はお早めに。
追記※2024.2.25現在、新調香品に切り替わっているそうです。公式サイト内での記述が見つけられなかったので、メーカー様にご指摘頂いたSNSの投稿のリンクを貼っておきます(下記リンク:タイッツー)
寒くなってから花が咲くまでを香水と共に待った蝋梅の花も、そろそろ完全に終わってしまう。花が終わってしまった名残の寒い日も香水で楽しみながら、暖かくなるのを待とうと思う。