こんにちは!EngineMaker新宿御苑の114号室に住んでいます。えむけーと申します!
今年もアドベントカレンダーの季節がやってまいりました。普段あまり文章を書く機会がないので楽しみにしておりました。年末ということでテンションが上がっております。2023年も残すところあと30日!ゆく年に悔いを残さないようこの師走を全力で駆け抜けましょう!!
この記事はEngineMaker界隈 Advent Calendar 2023 1日目の記事です。
政治の話をします!
今年は国会や地方自治体の議会中継を見たり政治家のニュースを見たりなど、政治ドメインに対する興味が高まった年でした。人は歳を取るとこういうのに興味が出てくるもんなんでしょうか。このまま行くとマンガに出てくる偏屈な年寄りになるんじゃないかという危機感もありますが、けっこう面白いので今日も国会中継をBGMに流しながらこの記事を書いております。
個別の政策とか予算とかは正直なところ難しくてよくわからないのですが、会社やシェアハウスなど小さなコミュニティと共通することもあるなと感じたのが以下の2つです。目立つように箇条書きにしておきます。
みんなで決めると遅いしダメ。だけど…
賢い人だけで決めると速くてよい。けど…
みんなで決めると…
集団の規模が大きいと、話し合う事それ自体にコストがかかります。また全体の中で賢い人の割合が小さくなるので、よいアイデアがあっても多数派に理解されず採用されないということが起こります。衆愚政治なんて言葉がありますが、みんなで考えてみんなで決めるというのは、とにかく時間ばかりかかって成果が出ないことが多いみたいです。
ただ個人的には、時間がかかって成果が出ないとしても、みんなで考えて実施したということ自体にも価値がある気がしてます。「成果は気にしなくてよい。みんなで一緒にがんばることが大事なのだ!」というと極端に聞こえますが、けっこうこれに近い感覚です。
スタートアップとエンジニアのためのシェアハウスに住んでいるので、成果と効率を重視する人多いです。なのであまり共感はされないですが……集団に所属する人が互いに良い関係を維持できて、みんな楽しく快適に過ごせることも成果と同じくらい大事だと気持ちがあります。「みんなで決める」というのは納得感というか集団への信頼という意味で、これに寄与するところが大きいと思ってます。
賢い人の目線だと「進め方がよくなかった」「もっと上手くやる方法があるはず」という考えになりがちです。会社組織のようにお金を介した関係で、常に他との競争に晒されている集団ならいいと思いますが、集団の性質によってはそもそも成果にこだわる必要がないこともある気がします。
賢い人だけで決めると…
賢い人だけで決めて進めることにはメリットしかないように見えますが、そうでもないです。
賢い人が考えた優れた作戦が、誰にでもわかりやすいものであれば問題ないですが、残念ながら多くの場合そうではありません。理解するために前提の知識が必要だったり、時間をかけて説明する必要があるものが大半です。
説明のためのコストを払うか「あなたには理解できないかもしれないけど従ってくれ!」のどちらかを選ぶ必要があります。前者は「みんなで決める」のとほとんど変わらないくらいスピードが落ちるので、速さを優先すると後者を選ぶしかないわけですが、これはこれで権力が集中してよくないです。
「権力が集中する」というのは要するに「賢い人たちだけにメリットがあることをするようになる」という感じです。政治家が企業からお金をもらって言うことを聞いたり、ブラック企業がサービス残業をさせたりとかですね。
この「あなたには理解できないかもしれないけど従ってくれ!」というのは、互いに対等で信頼関係ができあがっていればうまく働くのですが、大規模な集団でしかも賢い人とそうじゃない人という関係性の間では、互いに尊重し合うのは難しいんじゃないかなと思います。
つまり?
話が散らかってきました……
何か明確な結論があるわけではないのですが、なんとなくこれらのバランスが大事なんじゃないかなと思っています。
何でもみんなで決めようとし過ぎて停滞しっぱなしなのもよくないし、何でも賢い人だけで決めて権力が集中したり分断が生まれたりするのもよくない。どちらかが優れていてこっちを選べば正解!といった答えがあるものではなくて「どちらかに偏りすぎてないか」というのに気をつけるのがいいんじゃないかなと思います。
うちの国はしばらく賢い人だけで決めていたのですが、戦争に負けてアメリカに国民主権をしなさいと言われ、みんなで考えることを開始しました。国民全員で話し合うのは大変なので、選挙で選ばれた賢い人たちに話し合って決めてもらうというハイブリッドな方法ですね。バランスが取れていてよいと思います。
選挙に行った方がよいのか?
ここまで書いたことをひっくり返すようですが、個人的には現代人が選挙に行くのはとても難しいと思っています。「このネット時代に名前を紙に書いて箱に入れるとかwww」みたいな方法の議論もありますが、それより深刻な理由があります。
投票先をちゃんと選ぼうと思ったらめちゃくちゃ大変です。どの政党がどんなことをやってるかなんて普通に生活していたらわからないですし、候補者一人ひとりについて調べようとしても数が多いので、公正に判断しようとすればするほど調べる時間が増えていきます。
しかもがんばって選んで投票したとしても全体に与える影響は1億分の1くらいです。現代人は激しい競争に晒されているので、こんなリターンの少ないことに時間を費やすより自分のために働いてお金を稼いだり勉強したりする方が確実で有益なわけです。人生に余裕がある人にとっては簡単かもしれませんが、生活が不安定で余裕がない人にとってはハードルが高いと思います。
「そんなに深く考えなくてもポスターの印象とかで決めればいいのだよ」と言われますが、政治家が不祥事をしたり政策が失敗すると、ネットから「あの党に投票した奴はバカだ!」みたいな声が聞こえたりするので、真面目な人ほど投票に対する責任を感じてしまう状況があると思います。
時間を取られ、責任を負わされた気持ちになり、自分個人へのリターンはとても少ない。こう考えると選挙に行く理由がありません。私は政治に興味がなかった頃もけっこう投票に行ってましたが、どちらかというと世間体というか、投票に行かないと後ろめたい気分になるので、それを解消するためだけにいっていたような気がします。
余裕があってちゃんと政治に関心がある人が投票するのは、自分よりも社会全体の利益を優先しての行動だと思います。なので投票に行くこと自体は素晴らしいのですが、同じことを他人に求めたり、投票に行かない人を責めたりするのが正当化されるには、投票者の負担が大きすぎるんじゃないかな…という気持ちです。
最後に
政治と宗教と野球の話は荒れるから人前でするもんじゃないと言われていて、そのイメージがあったので敬遠しすぎて国会や選挙について何も知らないまま長いこと過ごしてきました。
広島県安芸高田市の市長が話題になって私も見てみたのですが、その時に市長が「ぜひご自身がお住まいである自治体の議会中継をご覧になってください」と言っていて、それがきっかけで新宿区議会の議会中継や会議録を読むことが増えました。
予算とか政策の話は難しいですが、知ってる地域の身近な話題を聞くのは単純に面白いですし、福祉や補助金に詳しくなるかもしれません。上に書いた通り自分の成長に時間を使ったほうがコスパはいいですが、自治体の活動や議会に興味を持つ人が増えたらいいなと思います。