入り口
カルティエ財団現代美術館に赴いた。世界の五大ジュエラーに数えられる、カルティエ財団はジャンヌーベルが設計した名建築だ。カルティエ財団は現代アートを主に下支えし、メセナ活動を行っている。
光をめいっぱいに受けて広々とした屋内に作品がポツポツと並ぶ。
今回の展覧会はスタジオ・ムンバイというインドのムンバイにある建築事務所の作品を取り上げたもので見応えたっぷりだった。日本では尾道で多目的施設〈LOG〉を手がけた経歴があるらしい。今回の展覧会の詳細は以下にまとめられてある。
さすが、灼熱の国で生まれるものは風通しの良く、軽やかなものが多かった。南国の建築家の発想は自然と溶け込むものが多いと感じる。インドの隣国、スリランカを代表する建築家、ジェフリー・バワはトロピカル建築の一人者で、ヘリタンスカンダラマというホテルは今も多くの人々を魅了する。気候と建物の作りは切っても切り離せないもので、その土地の生活をも反映する。とても興味深い。
展示に置かれた椅子は竹と糸のみで作られており、精巧なデザインは目を見張った。実際に座ってみても、びくともしない。
一階から地下へと向かう途中、階段の踊り場に置かれた蛙たち。
スタジオ・ムンバイとコラボした画家の作品。グラファイトで描かれた細かい線は遠目から見ると壮大な風景を描き出し、近くで見ると細い線の集合体であることに気がつく。規制線はチグハグな形の石で敷かれていて発想が面白い。
中二階の書店では芸術に関連する本が多く並ぶ。日本を代表する隈研吾や安藤忠雄の写真集や著書も目立つ場所に飾られている。
入り口を入ってすぐの庭にはアニエス・ヴェルダの遺作も飾られている。昨日は雪が降っていて、芝の上に残雪が見えた。一歩を踏み締めると心地よい音が響いていた。