歌舞伎座デビューしてきた

むる
·
公開:2025/7/15

国宝の感想もほっぽりだしてる状態ですが、ノリと勢いで歌舞伎座に行ってきたよ〜〜〜!!!

話題があっちゃこっちゃ行ってるのであまりにも暇過ぎて他にやることがないときにでも読んでください。


観たのは七月大歌舞伎の夜の部「蝶の道行」です。

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/935

何故ノリと勢いで行けたかというと、歌舞伎座での公演では一幕見席というのがあったからです。

通常のチケットは昼の部・夜の部を幕間を挟みながら通しで観られるのに対して、一幕見席は名前の通り一幕しか観ることが出来ません。

ミュージカルとかは一つの作品を全編通しでやることが多いと思うんだけど、歌舞伎の場合は複数の作品から一演目ずつ選んで公演することが多いためこのスタイルが確立しているみたい。

そのため、通しで観るより格段にお得!!!

演目の時間によってチケット代は変わるみたいだけど、大体1000円〜2000円くらいで買えます!!!ちなみに「蝶の道行」は30分くらいで1200円でした。

https://www.shochiku.co.jp/play/theater/kabukiza/makumi/

なので「初めてなのにいきなり1万円以上出すのはな〜(行ってみようかな?と思って調べると安い席は既に売り切れている…)」とか「この演目は気になるけどこの演目はあんまり…」みたいな時にお試しで観ることが出来るというわけです。劇団四季の演劇しか観たことがなかったので画期的に感じました。

また、以前は当日歌舞伎座で直接買わないといけなかったらしいですが、今は前日からインターネットでチケットを買えるのですげ〜楽。ありがたや〜購入後にQRコードが発行されるので、それを会場のスタッフさんに提示する形。イマドキや〜〜!

ただ、この制度を実施してるのは今のところ歌舞伎座だけっぽいので詳しいことは松竹のサイトを見てくれよな!!!!

そんなこんなで半ば衝動的にチケットを取って歌舞伎座に行ってきました。

最初は昼の部の古典的な演目を観ようかと思っていたけど、Xで夜の部の「蝶の道行」が評判になっていたのでこちらを観ることにしました。

市川染五郎さんと市川團子さんという今最も注目されている(と思う)若手のお二人が出るということでね、やっぱりジャニオタとしては見逃せないなと思いましてね、衝動的にチケットを取りました。そう、私は若いイケメンが好きなんですよね。しかも、年齢は1歳差で見た目から性格まで正反対で「染團コンビ」と呼ばれているらしい。まさに月と太陽、陰と陽…そんなん好きに決まってるじゃないですか!!!!!

oh my god…シンメ厨の血が騒ぐぜ…

多分映画国宝の公開に合わせてこの二人の演目を入れてきたんだろうけど、心の底からありがとうをお伝えしたい。サンキュー松竹!!!


そんな訳で前置きが長くなってしまったが、歌舞伎座に行ってきた!

実は観劇の前に東劇でシネマ歌舞伎の「京鹿子娘二人道成寺」を観てきました。

https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/1725/

これも凄かったので別記事で書きたい(フラグ)やっぱり坂東玉三郎さんってすげぇや………

ちなみにこの東劇ビル、めちゃくちゃ昭和感あって最高でした。

うひょ〜〜〜昭和だ〜〜〜〜!!!

トイレも本体部分はウォシュレット対応の新しいものだったけど、床のグレーのタイルとドアのえんじ色と洗面台の水色のコントラストがめっちゃ昭和感あって最高でした。

売店は店員さんがいたので写真は撮ってないけど開業当初から変わってないんだろうな〜って感じでよかったです。MOVIXはドリンクバーになってるけどここは1杯ずつ注文する形式でした。カフェラテがめちゃくちゃ牛乳の味がして美味しかった。

スクリーンは一つだけで縦長の客席を十字に通路が走っているという珍しい構成。ここも内装自体は変わってなさそうだけど椅子は新しかった。

客席に傾斜はないけど、列ごとに互い違いになっているので割と見やすいと思う。

おまけに東劇のエスカレーターから見る七十七銀行(宮城の地銀)東京支店。よく見ると左側にちょっとだけ瓦屋根が見えてると思うんですが、これが歌舞伎座です。何でこんなところに七十七銀行があるんだよウケる〜!!!

という宮城県民にしか通じなさそうなネタです。衝撃が大きかったのでどうしても言及したかった。

すみません、また脇道に逸れてしまいました。


そんなこんなで東劇で「京鹿子娘二人道成寺」を観て銀ブラ(実際は銀座にビビりすぎて銀ブラは早々に切り上げて有楽町のケンタでグダってましたが)して歌舞伎座に戻ってきました。

ドン!!!

ドン!!!!!

ドン!!!!!!!!!

実は「京鹿子娘二人道成寺」を観てから1回歌舞伎座探検をしてました。売店が閉まるのが大体18時頃のため、公演を見てたら間に合わないと思ったので。

なのでお昼の外観もドン!!!!!!!!!

後ろの高層ビルは「歌舞伎座タワー」というオフィスビルらしい。こんな東京のど真ん中にあるなら確かにオフィスビルの需要あるよな。地下鉄の東銀座駅直結だし。

売店は歌舞伎座の1階部分と地下2階にもありました。地下2階の方は歌舞伎座関係のグッズの他にも伝統工芸とか和菓子の出店?屋台?がありました。イメージとしては百貨店の物産展みたいな感じ。地下に降りたらいきなりそういう光景が出てきたので面白かったです。あとセブンとタリーズもあった。他に喫茶店とかもあったけどザギン価格なので行きませんでした…


…またしても脇道に逸れてしまった。

そんな訳で公演の話に戻ります。

通しのチケットを持ってる人(1階から3階の席のチケットを持ってる人)は正面入口から入れるのですが、今回私が購入した一幕見チケットは正面入口の左側のエレベーターから客席のある4階に直接行く形。4階につくと色んなところにスタッフさんがいるのでQRコードを読み取ってもらってから客席に入ります。大体開始時間の30分前くらいに客席に入れるようになるっぽい。タイムスケジュールは公式サイトだったり、会場の色んなところに出ているので確認してから向かうと良いかも。

また、一幕見席のチケットだと他の階には行けないのでご飯やお土産の購入は先にしておくのが良さそう。売店のようなものはあるにはあったけど、音声ガイドのレンタルと筋書(パンフレット)オペラグラスの購入しか出来ないです。

客席の方は4階なのでやっぱり舞台は遠いです。花道も全体の4分の1くらいしか見えない感じ。今回の演目は花道に出てきてもその4分の1部分だけ使う演出だったのでそこまで不便には思いませんでしたが、演目によってはちょっと不満に思うかも。今回はドセンの席を取ったのでこんな感じだったけど、上手側だともう少し花道が見えるのかな。わからぬ。

今回はとりあえず全体の雰囲気を味わえたらいいかな〜くらいの感覚だったので双眼鏡は持っていかなかったけど、役者さんの表情を見るためにはやっぱりあった方が良かったなと思う。それでも十分楽しめたのでこの辺は好みの問題かな。

ちなみに客席の間隔がめっちゃ狭くて、内側の席の場合は先に座っている人に立ってもらわないと入れないくらいなので、トイレとかは席に座る前に済ませておくのが吉。

あと、服装はいつもより気持ちきちんと系で行きましたが、そんなに気にしなくても大丈夫そう。

ちょこちょこ着物の人とか洋服でもよそ行きっぽい服の人はいたけど、大多数は普段着って感じでした。

同じ一幕見席に外国人の親子でうさ耳カチューシャをつけてる人たちはいたけど、奇抜な服装だったのはその人たちくらいかな…席が遠かったので観劇中どう過ごしてたのはわからないです。さすがにカチューシャは外してたと信じたい。

とりあえず、歌舞伎だからといって気負わず行って大丈夫だと思いました。


今回は折角なので筋書を買ってイヤホンガイドをレンタルしました。これはどちらもあった方が良いです。筋書は他の演目も載ってるので興味があったら購入でもいいと思うけど、演目の解説とか役者さんのコメントとかその演目を今まで演じた役者さんの一覧表とかが載ってるので興味深く読めます。

そして、イヤホンガイドはあった方が良い。なくてもまあ楽しめるとは思うけど、やっぱり背景とかがわからないので都度解説してくれているのめちゃくちゃありがたい。一幕見席専用のイヤホンガイドは500円でレンタル出来ました。

特に「蝶の道行」は舞踊のみの演目なのであった方が良い。歌舞伎の台詞は大体聞き取れるんだけど、唄は独特な節回しがあったりでリスニングがなかなか難しいので…他にも衣装とか背景の解説もしてくれるので素人でも大丈夫でした!その代わり五感をフルに使うので割と疲れた。でもないよりはあった方が絶対に良いです。イヤホンガイドの解説で後半泣きそうになったもの…


さて、ようやく演目の感想なのですが、何かもう凄かった…(それだけ?)

あらすじは筋書に全部書いてあったのでここでも全部書いちゃいますが、ネタバレが気になる方はここの項目は飛ばしてください。

お家騒動に巻き込まれて犠牲になった若い恋人同士が蝶に生まれ変わって再会し、喜びを分かち合います。二人の馴れ初めを回想したり次生まれ変わったら野良仕事をして暮らしたいね…と来世に夢を見るのですが、それが仏の怒りを買い、地獄に落とされてしまいます。結局その責め苦に耐えきれず二人とも息絶える…

という何とも胸糞の悪い結末。

心中したから仏の怒りを買うとかならまだ分かるんだけど、この二人はお家騒動に巻き込まれて家の面子を保つために親や兄弟に殺されてるんですよ。男の方は若衆髷なので二人とも年齢は10代前半と思われます。それなのに地獄に落とされるって…音声ガイドでは「蝶の姿で再会したためか、はたまた幸せな来世を思い描いたためか仏の怒りを買いました(ニュアンス)」と解説されててエ〜〜〜〜〜ッ?!!?エッ!!!?ってマユリカ中谷みたいに叫ぶところでした。何ともやりきれない……

それを現在20歳と21歳の染團コンビが演じています。

にわかなので踊りの良し悪しはよくわかりませんが、若い二人だからこそこの演目にぴったりだったのではないかと思います。

立役が染五郎さんで女形が團子さんだったんだけど、團子さんの方が身長が高いし素顔を見ても配役は逆なんじゃないかと思ってたんですが全然そんなことなかった。失礼しました…

遠くから見てても染五郎さんの色男ぶりはわかるし、何より團子さんの愛らしさが凄い。ずっとかわいいんですよ。後から調べたら團子さんは身長179センチとかあるらしいんだけど、そこにいたのは10代前半の女の子でしかなかった。

来世に夢を見るシーンでは畑で働く旦那さんのために甲斐甲斐しく家事を行ったり、馴れ初めを回想するシーンではお祭りで女の子の方が一目惚れして手紙のやり取りをして…って最早少女漫画を読んでいるかのようでした。このキャピキャピ感はやっぱり若い役者さんならではなのかも。だからこそ結末がつらすぎる…………

途中まで本当に幸せそうなのに、一気に曲の雰囲気が変わって「お前たちは蝶であることを忘れるな」と言わんばかりに蝶の骨組みみたいな着物に代わって地獄に落ちて…って本当にさ………つら……………

照明と音楽以外に特別な演出はないんですが、踊りだけで地獄の責め苦に遭っている様子がわかります。最初は何とか耐えようとするんだけど段々フラフラになっていくのが目に見えてわかるのが辛い。ちなみに音声ガイドによるとここの曲はこの演目でしか使われてないようなんですが、舞台上の二人に集中してたのでちゃんと聞き取れず。覚えてる人がいたら教えてください……

そして、何とか責め苦から耐え抜こうとするんだけど、やっぱり蝶だから地獄の業火に耐えられず初めに女の子が力尽き、後を追うように男の子の方も女の子に寄り添うように力尽きます。

そして、そのまま終幕。

ミュージカルみたいにカーテンコールがあったらまだ救われたんだけど、速攻で客席が明るくなり場内アナウンスも流れてしまったので何ともモヤモヤした気持ちで帰りました。

だって地獄に落とされたってことは来世はないじゃん…でも最後に再会して束の間の幸せを味わうことが出来たのは良かったのかな…なんて思ったりして。

普通だったら「やった〜!再会出来た〜!来世で幸せになるぞ!」って結末になると思うんですが、一筋縄ではいかなかった…何でこの二人ばかりこんな辛い思いをしなければいけないんですか!?って思った時点でまんまと脚本家の手の内にハマってしまったのかも。やられたわ。

いや〜それにしても歌舞伎役者って凄い。

同じ振りを踊ってるんだけど、立役と女形で踊り方が全然違う。女形は本当に女の子にしか見えないのよ…遠い席だったからこそより感じたのかもしれないけど。

染團コンビは若いのでこれからまだまだ進化していくと思うと楽しみで仕方がないね!

俄然歌舞伎に興味が出てきたので今後も行きたいな〜!

片岡仁左衛門さんを生で観たいので九月大歌舞伎は観に行きたいな〜〜最初の方に若いイケメンが好きと言いましたが、若くなくてもイケメンが好きと訂正します。

@mmmr
映画の感想とか