※ネタバレ注意
※本当に思ったことを書き殴ってるだけなので内容に整合性がない あらすじなどは公式サイトを確認してください
↑２枚目はパンフレットの表紙 ｶｺｲｲ!!
※ネタバレ注意（大事なことなので２回いいました）
「教皇選挙？コンクラーベか！煙の色で結果を知らせるやつね！」くらいの高校世界史レベルの知識しかなかったし、作品のこともよく調べないで行ったけど面白かった！
引きのアングルで固定されている場面が多くて、衣装とか背景の色合いもあって宗教画が動いているような感じで世界観に一気に引き込まれましたね
冒頭から現教皇が亡くなるシーンだし、BGMはいかにも不穏だし、BGMのない場面でも息遣いとか服の擦れる音とか紙をめくるような日常生活では当たり前の些細な音がはっきり聞こえて、嫌でも観てるこっちが緊張してくるシーンが続きます
音のない部屋でピンと張られたピアノ線をくぐり抜けながら進んでいく感じのイヤ〜な緊張感が続いて、映画の登場人物も観客も「もういい加減決まってくれよ…」と思っている矢先にシスティーナ礼拝堂近くの広場で自爆テロが起こり、礼拝堂も被害を受けるんですね ここから一気にクライマックス突入 それまでの閉塞感から解放されて、結末は新時代の幕開け感がありました
日本でもそうだけど、聖職者だろうとなんだろうと偉くなればなるほど自分が権力を持つことにこだわるようになるもんだなと思った おじさん（おじいさん）の醜い争いがこれでもかと繰り広げられます
カトリックの中にも保守派・リベラル派がいて結構強めに対立したり、投票権のある人を買収したり対立候補の過去のスキャンダルを利用して自分に票を集めようとする人がいたり（後でちゃんと成敗される）だいぶドロドロしてて醜い争いが繰り広げられます 聖職者とは…
そこをいい感じに取り持とうとした主人公のローレンス枢機卿（コンクラーベの責任者だけど枢機卿を辞めて修道院に帰りたいと思っている）に段々票が集まり始めて、本人も「しゃーない…やるか…」ってなったりするのがリアルだなと思いました
この辺は「ローマ法王の休日」を思い出したな…
だからこそベニテス枢機卿の異質さが際立っていたね
投票者リストに載っていないのに突然現れたアフガニスタン担当の枢機卿（メキシコ出身）で、イスラム教が圧倒的に優勢な土地柄なので前教皇が誰にも言わずに枢機卿に任命したらしいという人物
誰も詳細を知らないので「スパイなのでは…？」ってみんな思ってしまうような登場シーンで、私も途中まで今回の悪役なんじゃないかと思ってた 作中２回爆発事件が起きてたし、意味深にベニテス枢機卿が映る場面があったのでてっきりそっちの首謀者なのかと思ったら…一番純粋に神を信仰している人だった…私は浅い…
自爆テロの後にベニテスが凄いスピーチ（語彙力）を行って人々の心を動かして直後の投票で票を集めて教皇に任命されるんだけど、実はベニテスには大きな秘密があって…ここから先は君の目で確かめてくれ！（投げやり）
キャスト情報も入れないで観たんだけど、ベニテス役の方はオーディションで選ばれたほぼ新人俳優と知ってびっくり あまりにも適役すぎる…
あと、シスターアグネスもよかったですね
彼女の台詞の「私たちは見えない存在です。でも目も耳もあります」（うろ覚え）は場面も場面だけに印象的
間違いなくシスターは存在しているけど枢機卿たちに直接絡むことはほとんどなく、枢機卿たちも全く気にかけていないんだよね でも料理だったり宿泊施設の用意をしているのは全部シスターたち
パンフレットに記載されてたけど、女性はカトリックの司祭以上にはなれないらしい
監督が「世界最古の家父長制」と言っている通り、どこまでもシスターたちは陰から支える役割なんだけど、途中有力候補の過去のスキャンダルが発覚してシスターアグネスが枢機卿たちの前でこれは謀られたことだと告発するシーンは痺れましたね 全部言い終わった後にすっと立ち去るのもかっこよかった
まだまだ古い慣習が残っているけど時代と共に変化していくのを示唆するようなラストシーンもよかったですね 途中までこのまま後味の悪い終わり方をするのかと思ってたので余計によかった
これはカルチャーショックというかクリスチャンでも何でもないから抱いたものだと思うんだけど、投票結果を知らせるために礼拝堂から煙を出して外の人に知らせる（黒:未決 白:決定）シーンで民衆が歓声を挙げたりしてるのにびっくりした
そんなに盛り上がるイベント（？）なんだ…っていう
日本だと多分こうはならないだろうと思いました
お恥ずかしながら欧米かぶれの時期があったけど、キリスト教というかカトリックのことを何もわかっていなかったな…信仰の種類が全然違う まさに異文化
あと、基本的にみんな同じ服装なんだけど二人くらい違う服装の人がいたのは何なんだろ 中東？ロシア？っぽい感じの衣装だった 顔の感じは中東っぽい感じだったけど
こういう服って決まってるものだと思ってたのでちょっと意外だった
観ていて「ローマ法王の休日」も思い出したし、「スターリンの葬送協奏曲」も思い出した
一番偉いおじさん（おじいさん）が亡くなって、残された偉いおじさん（おじいさん）たちが後継者争いをするやつ
「スターリンの葬送協奏曲」はイギリス映画なのでブラックコメディがずっと続くんだけど、基本的な構造は割と似てる気がした
ただ、舞台になっている年代が違うので「スターリンの葬送協奏曲」の方が後味は悪いですね ソ連の話だし ぜひエンドロールまで観てね
アマプラのリンクだけど見放題配信してるのはU-NEXTっぽい
↓予告編
「ローマ法王の休日」も後味は悪かったね〜
タイトルを初めキービジュアルとかはほっこり系かと思いきや…この映画でいうローレンス枢機卿みたいな人が教皇になっちゃったので耐えきれず逃げ出しちゃうっていう話です
アマプラで配信されてるのでこっちもよければ観てみてね
↓予告編