本を開くときの感情

mochibay
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公開:2024/6/17

書棚にある本を手に取る。

そして最初のページから開く。

そこには文字がある。

その文字は僕が本を開く前からそこに存在していた。

そして僕が開くと自然と文字は語り出す。

ずっと読んでもらうのを待っていたかのように。

その本が僕の書棚におき留められていた古めの本である場合は、ずっと文字たちは冷凍保存されていたようなものである。

開くと一瞬で解凍され、何もなかったかのように語り出す。

そのような文字たちは、ちょっと不憫にも感じる。

実は書棚に収まって、並べられている本の中の文字たちも、狭苦しく思いながらもずっと語り続けているのかもしれない。

気絶しそうなほど無数の文字は文字列となってそこに存在し、本が手に取られ、開かれるのをじっと待ち続けているのだ。

@mochibay
1964年生まれ 60才 男性 滋賀県在住 メーカーの品質保証の仕事をしています 定年延長で65才まで働ける職場ですが、今後どうしようか悩ましいですね。