新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫) https://amzn.asia/d/cjCf7Oy
感想の前に少し言いたい。
ちょうどこれが起きた日に、どうやらKindleでセールしてくれてるらしい。それも、毎年。
これは担当者が相当にこの事件を覚え、そして憎んでいるように見える。まるで、遺族かのように。勘違いでしかない、そう思いながら購入した。
とはいえ読んだのは今週からだ。ようやく読んだ。
まずは最初に著者(元警察官)が知らせを受けて駆け付けるまででさえも相当に悲惨だった。
そこから続く過酷な遺体の検死作業について綴られている本だが、最初は完全遺体があり、死亡者数は多くともそこまで苦労しないと思っていたらしい。だがその予想は大きく外れ、半分に切れてしまったもの、腕が取れたもの、他人の体に一部分の部位が埋まってしまったもの。とにかく様々あり、その文章を読むだけでも、申し訳ないが気持ちが悪くなっていた。同時に、狭く細長い箱の中でたくさんの人間がぐちゃぐちゃになる様はこうなのかと学んでしまった。
我慢をしながらも読み進めていくと、次は人間(遺族)の怒りについても描かれていた。同じ立場になったとして、同様の態度、または行動を取るのかもしれない。想像をなるべくしたくはないが、想像してしまっていた。
墜落直前に書かれた遺書もあったが、その文章を読むだけでも涙が溢れそうだった。そして墜落直前の乗務員の冷静なアナウンスも。機長の配偶者も検死場に来ていたが、機長もまた被害者だということは頷けた。そして搭乗者と同様にすぐに遺体を受け取りに行けば、遺族の怒りは頂点になると考えて早く来なかったというのも、配偶者は悪くなかったというのに。
これが起きた当初は生まれてもないがやはり悲惨さが伝わり、今の社会的立場からしたら航空会社に関わることはない。だからといって飛行機を敬遠するということもない。気の付けようがない。
なので読んだ後にできることは、このようなことがあった。遺族は勿論、検死に関わった人の頭によく刻まれた。ということを頭に入れておくくらいだろう。