小学生の頃から、シールの可愛さに取り憑かれている。近所の友だちと何をして遊ぶかを決める時、選択肢には必ず「シール交換」があった。選りすぐりのシール帳を見せ合って、欲しいシールを選ぶ。キラキラのやつとか、立体的なやつとか、特別なものはレートが高い。お断りするものもある。超仲良しのあなたならいいよ、という場合もある。小遣いをそこそこ貰う前の子どもが欲しいものを入手できる機会といえば、お年玉か物々交換なのだった。
大人になって早ウン年、シールをなんぼ買ったってお財布はそんなに痛まない。最高だ。もしかしたら高級シールなんてのがあるのかもしれないが、私がハマっているのは100円ショップのシールだ。ここ5年くらいの進化が目覚ましいように思う。流行りのデザインも多分ある。いつ新商品が入っているのかよく分からないので、行くたびに覗いて、気に入ると躊躇なく買ってしまう。よくまあこんな惹かれるものを100円でお出してくれたわね、それならわたくし勿論買います、という気分だ。喜んでお金を払うという体験はなかなか嬉しい。
肝心の用途はというと、並べて収納して眺めて良い気分になり、手帳に貼る。日記や頭の中にあることリストを書いて添えている。ご機嫌になれるからだ。それ以上でも以下でもない。学生時代は他にも紙ものの素材をせっせと集め、時には自作までして時間をかけてコラージュを楽しんでいたが、段々やらなくなった。好きな作業で癒やされはするのだが、如何せん可処分時間が減った。YouTubeで誰かのコラージュの様子を見ていれば満足してしまう。最近はこの辺りが妥協しどころと知った。大人になったものである。だけど、しばらくミニマリストにはなれそうにない。今日も私は100円ショップを覗きにいきます。