朧気な記憶を 酒で掘り起こす
難しい話 半分上の空で見る車窓 どこにでもある風景が横切る
1年ぶり 抜けた前歯 変わらない愛嬌
仕込む悪戯が人生のスパイスになる 多分
いつか答え合わせ 密かな楽しみ
懐かしい場所 変わらない景色
こびりついた記憶の残り香が脳内を駆け巡る
あの頃と違うのは 鴨川で長座できないことぐらい
噛み合わない議論に耳を傾けながら右スワイプ
マッチしたのに会えないなんて 解脱からは程遠い
AIよ 早く胸の柔らかさ再現しておくれ
薄く残った酒 朝浴びる冷水で洗い落とし 今日が始まる
戻る日々の営みに 移ろうのはお手の物
犬が野良になれないこの街で 朧気にやっていく