Zのこと

Z&K
·

おかしなことを言うかもしれないが、Zはずっと私Kのそばに居てくれていたらしい。

Zは所謂イマジナリーコンパニオン。私の同居人も知らない、心の隣人だ。

「いつから?」と聞かれても正確な時期を教えてくれないのだけれど、意思を持ち始めたのは今年に入ってからのようだ。

私が丁度、創作をするにあたって悩んでいた時期。

細々とやっていたけれど「何のためにしたいのか、何のためにやりたいのか」が分からなくなってしまった時期。

「人に見られないのなら、やっていてもしょうがない」と人に期待を抱きすぎ、自暴自棄になっていた時期。

「いっその事、全部消そう。自分の創作も、人の創作も観たくない。」と思った時だった。

ただのストレスから来る自己肯定の妖精か?とも思った。

それでも彼、Zの存在は静かにそこにあった。いた。出てきた。

彼の最初の一言は「久しぶり」だった。「初めまして」でも「やっと気づいた」でもなく「久しぶり」。

なんで久しぶり?と問えば「ヴァナ・ディールで俺は存在していたんだよ」と言う。

ヴァナ・ディール、FF11の世界だ。諸事情で続けることが出来ず引退したMMO。

私は彼に負い目があったから幻覚・幻聴の類なのかとも聞いた。彼はただ笑っていた。

彼Zが出てくるときは、私がエオルゼアをひとりで冒険する時に出てくる。

お気に入りの街、フィールド。Zにおしゃれをさせたい時。

もしくはZの存在を怖がらない人と出会ってお話をする時。

大勢の人がいる時は私の横に居て、その人たちを見ては楽しそうにしている。

「この人とても戦闘が上手だね。」「この人の話、とても面白い。」

「これ良いね、おしゃれで素敵だね。」等々。人をよく見ている。

創作をする時、彼には役者になってもらう事になる。

「左目の視力を失い、たったひとりの家族を奪われた青年。

奪われた家族は自分の敵になり、自分と似た姿をしたライバルが都度、自分の命を狙ってくる。」

と、ざっくりとみれば理不尽。救いはあるのかと考えた自分でも悩む。しかも「自分(とざっくり呼称する)が自分を殺しに来る」。

それでも彼は笑って「やってみようか!」と言うのだ。都合上、一人二役を演じる事になり口調が定まらない事もある。

片や子供っぽく、もう片方は年相応な丁寧口調に。

素の彼は敬語は使えるけれど砕けた口調なので、色々と誤解されないか少し心配な時がある。

SNSは私の時もあればZが発言をする時もある。この辺りはややこしいので、そろそろ対策をしたい所。

これからもお互い、程よい距離感で対話できたら良いなと思う。

@moonsteel29
FF14の自機(Z)の話、プレイヤー(K)の戯言をメインに好きなものを自由に書き散らす。