2024年の初映画として映画『シャクラ』を観ました。
主役かつ監督のドニー・イェン氏については存じ上げなかったのですが、ジョン・ウィック4の盲目のアジア系殺し屋を演じられていると後から知って本作での若造りに驚愕しました。
作品自体は良いか悪いかなら良い作品で、期待したカンフーアクションはもちろんワイヤーとCGを使ったドラゴンボールやストリートファイターの波動拳のような必殺技まで飛び出して迫力満載かつ娯楽として良かったです。
アクションは大変素晴らしかったですが、ストーリーは中国の『天龍八部』というタイトルの小説がベースとなっているそうで、名前のある登場人物が多すぎたり次回作への繋ぎのところが急ピッチで雑に感じるところは多々ありました。日本語へも翻訳されているようなので読んでみる気になっています。
展開においては、実績も能力も高く周囲から尊敬と信頼を集めていた主人公が、出自が他国であることの民族差別と次々と重ねられる冤罪を理由にかつての仲間と殺し合うことになります。戦いを始める前に、これまでの情を切る儀式として酒を飲み交わすシーンは見方によってはカッコ良さや運命の数奇さを感じるところかもしれませんが、主人公も過去の仲間も短絡的に殺し合いを選択してコミュニケーションが不足しすぎているように感じて腹立たしかったです。しかしその後の1対多数の大立ち回りは派手で見応えのあるアクションになっていて、そういった消化不良なストーリーを爽快で派手なアクションでつないで総合的には面白い娯楽映画となっています。
物語の時代である”宗”に関しては、個人的に北方謙三の水滸伝シリーズを岳飛伝の途中までは読んでいたこともあり、その時代と原作への興味が湧き起こりました。