体力なくてもオタクをやるのにはそれなりに工夫が要るもので、それについては以前こちらへ書かしていただいた。
新たに趣味として見る将をやろうと決めてからも、一応細かく自分なりに決めたことや気をつけたことなどがあるので、整理するためにも書いておく。
活動エリアが近距離の先生を推す
近場のイベントだけ行く
公式戦、Abemaなど各種棋戦は好きなものだけチェック
高価なグッズやイベントチケットは買わない
活動の目標を立てる
長い目で見る
活動エリアが近距離の先生を推す
将棋の棋士の先生方には所属が関東・関西と2通りあり、関東の先生は東京・千駄ヶ谷の将棋会館、関西の先生は大阪・福島(高槻に移転予定)の関西将棋会館をおもな職場としている。基本的にはその近隣に住む先生が多いが、藤井聡太先生(瀬戸)とか菅井竜也先生(岡山)みたいに地元におられ、その土地でかなり愛されているという場合も稀にある。
関東の先生は関東での普及活動が基本的には多いし、将棋会館道場での大盤解説や指導対局などのイベントもその支部の所属の先生が出られることになる。
身も蓋もない話だが、遠方のイベントに行くのは体力も資金も多くかかるため、自分には無理だと判断し、「推し」とする先生を決める際には関西の先生の中からにした。大阪在住なので、関東の先生を応援するのはあまり現実的ではなかったし、なんとなくご近所さんの棋士には肩入れしたくなるからだ。
例えば、おれは小学校に入った頃に公文式を始めたので、当時イメージキャラクターを務めていた羽生善治先生のことを爆裂かっこいいと思って先生のグッズをもらうためにくもんを解きまくっており、なんだかんだとその後30年くらいかっこいいなあと思って生きてきた。しかし羽生先生は関東所属で、強すぎて関西会館まで来て対局なさることもほぼない(対局者が東西別れていたら強い先生のほうで戦う)ため、羽生先生を「推し」と定める決心がつかなかった。同じ理由で広瀬先生、千田先生、伊藤匠先生なども大好きになったが「推し」とはできないという感じだったところ、関西所属で兵庫・加古川出身の稲葉先生が、その活動エリアの近さゆえに近所でのチェキイベントに出られ、生でお会いしたことでまあメチャクチャ「沼落ち」してしまい、「推し」に就任していただいた次第。
近場のイベントだけ行く
基本的に片道2時間を超えるような場所のイベントは、最初から行こうとか行かないとか検討しない。新幹線や飛行機を使うもの、宿泊を伴うものも除外して、家からチャリと電車で向かえるものだけを参加検討している。
持病の性質上、長時間の移動はそれだけで疲れるのでイベントそのものを楽しめる自信がない。また、地方棋士派遣みたいなイベントは、ふだん福島に行けばいつでも棋士の先生がいる(別に会えるわけでもないが)おれのような大阪府民が新幹線に乗って行くようなものというより、日頃は棋士の先生方との触れ合いが少ない地域の人が楽しむものだと思うので、旅行して行くのは憚られる。せっかくなので、地元のイベントを楽しみ、関西会館が近いこととか、好きな先生の地元に電車で行けることとかを満喫したい。
公式戦、Abemaなど各種棋戦は好きなものだけチェック
観る将なので対局中継は観たいが、家庭の用事や自分の体調、気分のノリ、他にやりたいこととの優先順位などを鑑みて、好きなものだけ好きな時間で観る。すべてをリアルタイムチェックしようとか、最新情報を追おうとか思うと、観る将をやることに義務感が生じて楽しくないので、雑にやるのが結構大事だと思う。
将棋Liveアプリもいまだに使っておらず、1ヶ月500円の課金にそんなに渋るのもなという話ではあるのだが、いかんせんまだ棋力がなさすぎて棋譜中継を見て楽しめる段階にない。そのくらい力がついたらのお楽しみということで。
高価なグッズやイベントチケットは買わない
これは将棋に限らず、趣味全体で身の丈にあったお金のかけ方をしようと決めているという、まあ当然の話ではある。将棋ならたとえば直筆扇子とかめちゃくちゃ欲しいけど、今の自分には万単位の買い物を即決する余裕はないし、まだそんなかっこいいグッズにふさわしい棋力もない。
関西将棋会館道場の大盤解説が4000円くらいで、まあイベント1回に出せる金額はそのくらいかなあ、というのが個人的なライン。
活動の目標を立てる
心身の健康と継続的な活動のためには目標があったほうがいいぜ、ということで、趣味だけど将棋オタクとしての目標を一応立てた。
「推しの稲葉陽先生に指導対局をつけてもらう」! このために、日々将棋のゲームやアプリで指す練習をしたり、『将棋フォーカス』を見たり、『将棋世界』を読んだりしている。
これで謎に聡太先生と友達になれて楽しい。
長い目で見る
飽きっぽいおれではあるが、将棋は腰を据えて取り組んだほうがいい趣味のような気がするので、なるべく長く続けたい。そのために、ここまで書いたこと含めて、地道にこう何年もやって行く中でトータルで楽しかったな、みたいにできればと思う。
好きな棋士の先生にお会いしたいという気持ちはあれど、体力などの問題でかなわない部分もあるので、今すぐに遠くのイベントに向かって会いに行こう! というよりは、この先どこかお近くにいらしたら会えることもあるだろう、くらいで待っている。好きな先生方も、若い頃から中堅、大御所となるにつれて、活動内容や忙しさも全然変わるし、それをずっと長く見守っていくのも楽しみのうちかと思う。
以上、体力なし将棋オタクの小さな工夫でした。がんばって強くなって、いつか推し先生に指導対局していただくぞ。