土日の話をしよう。待ちに待った土曜日、息子は意気揚々とガンプラしに弟の元へ。そこに置いてあったのはポケモンプラモデルのグラードンである。息子大歓喜。用意したのは母ちゃんです。ええ。母ちゃんが買いました。弟が監督してくれるのかと思ったら弟は弟でガンプラ。息子のポケプラを見守るのは母。子守も母ちゃんか…。パッケージの道具要らずの文言に半信半疑で作り始めた。本当に綺麗にパーツが取れる。バリも残らず綺麗に。すごい。作り方の用紙の見方とやり方を教えて最初は手伝うが、途中から母はそばを離れた。何度か息子が苦戦して呼ばれたが殆ど息子一人で作って完成。グラードンすごく可愛い。手のひらに乗るサイズで、子供が手遊びするのにちょうどいい大きさ。手や口も動く。これで1000円台。いいな。息子は楽しかったみたいでまた作りたいと。カイオーガ発売しないかなぁ。せっかくなら揃えたい。弟はガンプラを途中で終了。何やら固くてパーツを捩じ込むのに苦戦して指が痛くなったとか。息子用にポケプラ用意しといてよかった。
ポケプラが早々に終わってしまったので日曜日にやる予定だったポケモンカードで対戦することに。ゲームボーイカラーソフト、ポケモンカードGBの記憶を掘り起こしつつポケモンカードのルール動画を見て勝負。息子のスターターセットは強いカードが入ってるデッキ。一方、私はスタンダードな悪タイプのスターターデッキ。息子のデッキはエスパーと電気。エスパーに悪が刺さるがこっちも電気が刺さる飛行がいる。正直タイプ相性は考えずパッケージのヘルガーで即決した。悪ポケモンはいいぞ。炎も好きだ。さて、結果は5勝0敗。子どもに容赦ない母の圧勝であった。
一戦目、勝負がついた。口を開けて呆然と場を見る息子。徐々にへの字口になりながら涙目になり、涙が溢れそうでゴシゴシと腕で拭う。涙を堪えるように眉を寄せながらカードを眺める。すっと母を見て目が合うとぽろりと涙が溢れて決壊。くしゃくしゃの顔で号泣である。母、息子を泣かす。笑いが止まらん。泣かせて笑うは我ながら酷い。仕方ないので二戦目、息子の場のポケモンがいなくなってしまい母の勝利。口を結んで声も上げず涙を流す息子。男泣きである。母は笑うことを我慢できない。このままではダメだ。私の弟にサポートしてもらおうと向かう。泣いた顔の息子「ママに勝てないぃ」ばあば爆笑。弟も笑いながら一緒にやってくれることに。弟は元デュエリスト。ポケカルールは動画ですぐに把握して三戦目。母の勝利。息子涙目で怒る。敗因は一番強いポケモンを出し惜しみして、出す頃には母の場には強いポケモンが揃ってしまっているせいである。弟のアドバイスはことごとく却下され、サポートの意味なく敗北。ここまで母が勝つとデッキのタイプ相性に疑問が出た。果たして、本当に息子のデッキで私のデッキに勝てるのか検証することに。息子は見学。母は弟といざ勝負。母、呆気なく敗北。弟「このデッキの立ち回りがわかった」と息子にアドバイス。夕食を挟んで再度母に挑む息子。四戦目、敗北。地団駄を踏み再戦を申し込む息子。正直、立ち回りが良くなっていてカード回りが悪いと負けそうになるほどには成長している。五戦目、息子山札を使い切って敗北。多彩な負け方を披露してくれる。再戦を強請られたが流石に母ちゃんは疲れた。見守っていたばあばは笑い疲れて寝ていた。
日曜日、早速息子が勝負の準備をして母を呼ぶ。六戦目のゴングがなった。息子、弟の戦い方を真似るがやはりどうしても一番強いポケモンを強化しまくって出し惜しみする。母の勝利。「もう一回!」息子泣かなくなった。強くなったじゃないか。。七戦目、やはり出し惜しみして母の勝利。「もう一回!」すまんが母ちゃん疲れた…。息子、1ターンごとに長考するせいで母疲弊。母が片手間にソシャゲ走らせる程度にはカードをこねくり回して考える息子。いいことなんだけれど、相手するのは辛いものがある。何故か「毎週日曜日はポケモンカードで戦って!」と約束させられてしまう。毎週挑まれるのか…。
忖度して息子を勝たせるのは簡単だ。けれどそうやって勝負事で甘えを覚えさせてはいけない。ただでさえ一人っ子で家では母、母の弟妹にじいじばあばと大人に囲まれて対等に向き合う相手がいない生活。ゲームや遊びだろうと勝負相手からの忖度に慣れてしまうと友達と遊んだ時に、友達にまで忖度を求めるただの我儘なクソガキが誕生してしまう。ルール破りや自分が有利になる「自分ルール」を課したりと無茶苦茶し始めたら、大人は子どもだからと許してくれても友達は遊んでくれなくなる。遊び一つも躾だ。決して悔しがる息子が可愛いとかそんな気持ちで戦ってはいないのだ。