某映画に耐えられない

柗村
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 俺が異常者なのだろう。

 原作者が亡くなっている作品の新作が無理だ。

 だって、原作者は亡くなっているのだ。こういう話が書きたいです、と確認を取ることは不可能である。

 あとの人間がなにを勝手に作ったって、「いや~実はそうなんだよね」とも、「は? そんなんじゃないが……」とも言えない。死人に口無しとはこういうことか、と思う。それのプロットなりなんなりを作者本人が書いているならまだわかるが、どうせ制作の段階で捻じ曲げられるのだろう。数々のメディアミックスを見ていると、そうとしか考えられない。

 でも、そんなことを気にする人はいないのだ。

 Twitterも、Misskeyも、Mastodonさえも、そんなことを気にしている人の投稿はない。そのほとんどが称賛である。

 周囲もみんながみんな受け入れていて、異を唱えるものなどいない。

 バズったものはすべて正しく、それに異を唱えるものはアンチなのだ。

 やめてくれと言ったところで、その話をしたい人間にはどうでもいいことなのだ。

 べつにゲゲゲだけではなく、クレしんも無理だし、なんならドラえもんすら無理である。きっとこれから、アンパンマンも無理になるのだろう。

 しずネット、愚痴しか書けないな。逆を言えば、愚痴を書ける場所は必要かもしれない。