雨の日曜日は

芥 知之介
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連休もあと2日。

特にどこかに行くこともなく、いつもよりも引き篭もりの日々だった。

今日も、夕方に買いものに行くだけ。

自転車で、最寄駅近くのスーパーまで行く。

駅前には、お氣に入りのケーキ屋さんがある。

夕方には完売して、店じまいしていることも結構ある。

しかし、翌日は「こどもの日」。

こういうときの前日は、あまり人が来ないということがある。

外から見たら、ショーケースにケーキ類がまだ残っている様子。

18時頃にまだ開いているのは、本当に珍しいのだ。

スーパーで買いものを済ませて、ケーキ屋さんに戻る。

三山木ロールというロールケーキと、レーズンバターサンド2つを買う。

売れ残りそうなので、とエクレアをいただいた。

「食品ロス」について、その言葉が定着する前から、関心があった。

それは「もったいない」という精神や、オーガニックマーケットによく行っていたことが大きい。

自然食品店でバイトしていたことも、関係していると思う。

だから今でも、ロスのない取り組みを応援したいし、そういう行動をする。

家に帰ってコーヒーを淹れて、三山木ロールを食べた。

(バターサンドとエクレアは、明日妻と食べるつもり)

晩ご飯前の、至福の時間。

こんな美味しいものが、近所で買えるなんて実はすごいことだ。

ロスなく売れてほしいな、と思う。

だから、売れ残りそうなときに、自分は買いに行きたいと思っている。

そんなことを考えていたら、曲のアイデアが浮かんだ。

雨の日は、来客が減るのかはわからないけど、そういうときこそ買いに行こう、というようなコンセプト。

そして、ふと思う。

そういう何氣ない日を過ごしたい、と願うことは、すごく社会的で政治的じゃないのか。

少なくとも、根底にそういうものがなくては、その願いは叶わない。

仕事に追われ、政治や社会的なことは暗くなるばかりだから考えたくない、そういう人が多いのだと思う。

けれど、自由や平穏は、育てていかなければ手にすることができない。

今は、先人の残してくれたものを切り崩しているだけに過ぎない。

そんなことが、この曲の「裏テーマ」になるかもしれない。

歌詞には、出てこないかもだけど。

そんなことを考えた、晴れの土曜日だった。

 ◇ AKUTA Tomonosuke ◇

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@mrukuleleman
吟遊ソングライター