危険な道

芥 知之介
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自分にとって、「どう生きるか」を考えるきっかけ、もしくは道しるべになった本がある。

岡本太郎の『自分の中に毒を持て』だ。

TVで、岡本太郎特集か何かをやっていて。

「法隆寺は焼けてけっこう」「自分が法隆寺になればよいのです」に衝撃を受けた。

そのとき、岡本太郎のことはあまり知らなくて、本を読んでみたくなった。

(この本も、番組で紹介されていたのだったか)

本を読んで、またまた衝撃を受けた。

そして、自分はどうしたら「岡本太郎」になれるだろうと考えた。

自分の「どう生きるか」は、それとイコールだった。

それがいつだったか、よく憶えていない、30代になっていただろうか。

結婚して父親になって、鬱になって働けなくなって。

どう生きればいいのか完全に見失っていた頃、だろうか。

岡本太郎は、「危険な道をとれ」という。

自分はこれまで、安易な道を選ばず生きてきたつもりだったから、よかったのだなと思った。

ただ、先行きが不安になると、やはりそのような覚悟が揺らぐ。

だから、岡本太郎の言葉は、自分を奮い立たせるために必要だった。

吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」に、おじさんからコペル君へのこんな言葉があるらしい。

「なぜそれほど苦しまなければならないのか。それはね、君が正しい道に向かおうとしているからなんだ」

これは奇しくも、「危険な道」に通ずるところがあるのではないか。

実は、オリジナルソングのことも書こうと思っていたのだが。

あまり長くしたくないので、今回はこの辺でやめておく。

『自分の中に毒を持て』は、何度も読んだ。

「法隆寺は〜」は、『日本の伝統』の中に書かれているらしい。

未読なので、これを機に読んでみるか。

 ◇ AKUTA Tomonosuke ◇

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@mrukuleleman
吟遊ソングライター