太陽に問う

芥 知之介
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YouTubeを見ていたら、「太陽に問う」というタイトルを見かけて。

なんだそれは?でも、おもしろいな、と思った。

すぐにスクロールを戻して、探したけれどどこにもない。

「太陽の塔」の語呂合わせ、言葉遊び。

それは空耳ならぬ、空目から生まれた。

「問う」ことについて、考えていた時期でもあった。

問いかけること、耳を傾けること。

正しいことを言おうとするより、問いをもて、と言われた氣がした。

【太陽に訊いてみればいいのさ】という歌詞が出てきて、メロディをつけた。

さて、そこからどう歌にするか。

岡本太郎の生き方、考え方を歌詞にしたいと思った。

けれど、どうしても上滑りした言葉にしかならない。

当たり前のことだが、表面をなぞってみても、真理からは遠のくだけだ。

まあでも、上滑りした言葉たちは案外、この歌に合いそうだった。

岡本太郎も、「どんどん下手にやりなさい」と言っている。

結局、自分の言葉として出たものじゃないと、歌にならない。

元々、言葉遊びから生まれたから、そこを軸にすることにした。

サビの後半が浮かんで、自分の中で方向性がより明確になった。

【世界中に大笑いされたって平気で 自分のやりたいように やるんだ】

やりたいように、に「たいよう」が入っている、ダジャレだ。

そしてつい最近、Cメロ書き直し、Aメロ1番で韻を踏むように変えて。

今度こそ、完成させることができた。

先日、『君たちはどう生きるか』を観てきた。

その考察をしながらふと氣付く。

オリジナル曲『太陽に問う』は、「どう生きるか」の歌だったんじゃないか。

昔は祖母に、「お天道さまは見ている」というようなことをよく言われた。

お天道さまに、問いを投げかけてみる。

どう生きるのか、その行ないはちゃんと誰かが見てる。

何より自分が見ているはずだ。

だから、自分にも何度も問い続ける。

 ◇ AKUTA Tomonosuke ◇

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@mrukuleleman
吟遊ソングライター