マイボイコット

芥 知之介
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波長が合わない、調子のズレ。

そういうことが当たり前で、でも案外それも悪くない。

だからだろうか、この歳になってますます好き嫌いが激しくなった。

嫌いなものや人に、時間をかけたくない。

お金も労力も、考えることも、できるだけ意識を向けないように。

そりゃ誰だって、好きなことや人のことを想う方に、全振りしたいはず。

ぼくは以前から、不買しているものが多い。

アーサー・ビナードさんは、「マイボイコット」と呼んでいたっけ。

よくあるスーパーに行っても、買えるものが少ない、でもそれで困ったことはあまりない。

むしろそういう選択を常日頃することで、「主体性」も担保される。

ちょっとした買いものでもなんでも、「主体的に選ぶ」という鍛錬になる。

逆を言えば、この社会では、主体性というのがどれだけ失われていることか。

結構な割合で、「買わされる」「選ばされている」ことが多い。

ただし、自分の「嫌い」を、人に同調してもらおうとは思わない。

マイボイコットも、自分なりのこだわりで、淡々と密かにやっている。

最近では「バイコット」という造語もあるらしく、やはり「ボイコット」にはネガティブな印象があるということだ。

確かに、「好き」の方だけピックアップした方が、自分だって氣分がいい。

今回はここまで、今日行ったカフェの写真を貼って終わりにしよう。

苺のクラフティと、ブレンドコーヒー。

 ◇ AKUTA Tomonosuke ◇

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@mrukuleleman
吟遊ソングライター