車谷長吉の悩みのるつぼを唐突に読む。この車谷長吉という作家はまったくをもってへんてこな人で、作家が作家たるにはやはり凡人ではいけないのだと思わざるを得ない。人間には頭のいい人、悪い人、頭の強い人、弱い人がいる。作家に向いているのは頭の強い人、作家になれないのは頭のいい人なぞ(他ふたつもなれるとのこと)
車谷長吉が作家になれる世の中で良かったと思う。まだ世の中に車谷長吉の作品を受け入れるキャパシティがあったということ。年々許容範囲は狭まっていて、作品の本質を読み取ろうとする読者は減っていると感じる。やるせない事であるけど、それが現代を生きるということでもあるのだから世知辛い。
好きな作家、よく読む作家……色々あるけれど、その人自身がかっこいい作家に一番憧れるかも。車谷長吉はかっこいいと思う。たぶん舞城王太郎もかっこいいし江國香織は江國香織として生きていると思う。あと今村夏子もけっこうかっこいいと思われる。