その向こうに誰かがいる話

mt1316
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ビジネスマン的な男性が二人、話してた。

「ここだけ熱量というか、ちがうじゃないですか」

「ね、全然違う。ここだけ世界が違うみたい」

「こうやってもらえるてわかると、本当に嬉しい。ホントに暑苦しくて、すごい好きでしょうがないって。こんなふうにやってもらえるなんて、なかなかないですよね」

本屋で、なんとなくぶらついていたら。向こうの棚から聞こえてきた会話。多分、営業さんかなんか。そのあと、書店員さんと話してて

「いつも本当にありがとうございます。こんなに、ここだけこんなに世界がちがくて」

「なるべくすっきりさせようって思っても、こうなっちゃうんですよね。すみません、騒がしいですよね」

「そんなことありません!こんなふうにしてもらえるのは本当に嬉しくて、送ったリッタイ(立体?)も使ってもらえて」

「や、だって送ってもらったし使いたくて。あ、ここにてこうして…」

「ふふ、いいですねえ」

全然何見て話してるかわかんないけど、それを作った人の好きとか伝えたいとかそういうのが視覚的にばーんと出てるんだろうなって。

そういう、そこにはいない人の、でもその人じゃないと表現できない熱量がきっとものすごくあるんだと。それを創る人と、受け取れる人と、うれしいと思う人と、もっと見てっていう人がいて、離れたところにいいなと思う人もいるという。

でも、それは受け取れる土台がないとダメかなと思ったけど、誰もいなくなってから覗いてみたら確かに圧倒的にうるさい棚だった。いい意味で。

タイトルと背表紙と表紙だけじゃ足りなくて、棚全部で「見て」って言ってくる圧。

静かに、ばーんと広がる世界。いいなと思った話。

@mt1316
メモ。なるべく本を読みたい。行ったとことか、舞台とか。