青い石たち

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「その人生ならぬ石生の一時を私の傍に居てくれている、なんとも親切な石たちよ。お前たちに返せるものもないが、時折手で触れ、同じ光を浴び、姿を愛でる。そんな電磁気の相互作用が可能な領域で過ごせることを幸せに思う。」

Fluorite (フローライト/蛍石)

火にくべると弾けて蛍の光の様に輝くことから日本では蛍石と呼ばれるそうです。残念ながら実際にその光を見たことはありません。

フローライトは優れた光学特性から高級なレンズの材料にも使われます。昔はそういうレンズが使われた望遠鏡で星を撮ることに憧れていました。

そうそう、フローライトに含まれているフッ素という元素はウォルフ・ライエ星と呼ばれる種類の大質量星で生み出されたという説があるそうですよ。ありがとうウォルフ・ライエ星。

Halite (ハーライト/岩塩)

この青は放射線の影響で結晶構造が変化して色がついたとも。その成因はともかく、海の化石ともいわれる岩塩が、その元の海のような美しいブルーを湛えているという物語性が気に入っています。

空気中の湿気で表面が少し溶解しているのでしょうか塩の四角い結晶らしい鋭利さは少なく少し溶けたようなディティールにどこか有機的なものを感じます。

Pentagonite (ペンタゴナイト)

ウニやガンガゼの様に母岩の窪みに潜む姿が可愛らしい青いペンタゴナイトです。なぜこの場所で成長したのでしょうね。鋭く放射状に伸びる柱状結晶が個性的です。

周りの白く輝く結晶はたぶん Heulandite (ヒューランダイト/輝沸石)だと思います。