友人と不動前で待ち合わせ、安藤晶子の個展『Habitable Planet』をLEESAYAに観に行った。

今回の展示は、これまでの抽象的な作品から引き継ぎつつも、静物画だった。花瓶、椅子、指輪、果物…… どの「モノ」を見ていても、肉体の持つ存在感と同じような、匂い立つエネルギーを感じ、わあっとなっていた。全部、ひとみたいに見えるのだ。後から話を聞いたら、一度カンヴァスに天使を描き、その上から他のモチーフを描いているそう。だからこんなに、と納得した。その天使の線が残っている作品もあり、まるでおまじないみたいだった。モチーフの姿かたちだけでなく、そこに内在する、あるいはそのものから発散されるエネルギーまで含めて描かれているように感じる。

『Habitable Planet』という展示タイトルも、とてもいい。生物が存在できるとされる、ごく限られた惑星。それを静物画の展示に据えることも、ものの背後に人間の存在を感じ、意趣深い。

愛する友人の装いが大好き。きれいなドレスに籐のかばん、おだんご。
安藤晶子さんの作品集『庭園』とポストカードセットをがこん!と自販機で買った。嬉しい。ああいうタイプの自販機ってなかなか買うことがないので、わくわく挙動を見つめた。
バスで中目黒まで移動した。いちばん後ろの席に座って、横並びでいろんなことを話した。バスに乗ってよかった、と思えるいい時間だった。
そこから東山まで歩いて、ヴィーガンのお店に行った。友人はカレーのセット、わたしはサラダのセットと散々悩んでスープのセットを頼んだ。トマトとレンズ豆のスパイシーなスープで、クルトンがのっていて「クルトンって大好き!がばっと鷲掴みにして入れたいくらい!」とよろこんで大事に食べた。パンとフォカッチャもヴィーガンで、おいしいオリーブオイルをつけたり、スープに浸したりして食べた。ヴィーガンの美味しいごはんが食べられて、すごく嬉しかった。食後にあたたかいルイボスティーを飲みながら、オーブンから店内いっぱいに漂う甘いチョコレートの香りにうっとりした。

次の展示に向かっていたら、途中商店街でチャリティーフリーマーケットが開催されていたので、道を折れて寄ってみた。少し寄るつもりが、商店街がすごく長くて、永遠に続くんじゃないかと思うくらいだった。フリマというものがはじめてでうきうき。何でもあって、ごちゃごちゃしていて、見るだけですごくおもしろかった。50円で5つマスキングテープを買った。まさかのANTIPASTのエプロンのかたちの服が800円という破格で出品されており、びっくりした。
商店街のいちばん奥の方に「声玉メカ」というのがあり、「あなたの声は何色?」と書かれていたのが気になってやってみた。マイクに「あー」とやると、周波数を解析して、対応する「声玉」をぽんと出してくれる。わたしは明るい黄色のシトリンで、きらきらしていてうれしかった!友人はもっと元気な黄色で、二人とも黄色だとよろこんだ。
ゆっくり寄り道を楽しんで、dessinという本屋に大塚文香さんの『道具と物理』を見に行く。


こちらも「道具」が描かれる展示で(もともとのスタイルだと思う)、ぱちっとした形、動きに着目していて、見ていて楽しかった。クッキーのハンカチ、ほしいなあ。
座ってお茶でも飲みたいね、となり、ネパールチャイのお店に行った。友人は玄米チャイ、わたしは豆乳チャイを頼んだ。カルダモンの香りが強く、豆乳独特の苦みや渋みがほとんど感じられなくて、飲みやすかった。あわあわで嬉しい!玄米チャイも一口もらったが、香ばしくてとっても好みだった。マグカップがとてもかわいくて、これ売ってないのかな…… と話した。

常に頭上からお香の煙がゆらゆら漂ってくる、広くて暗くて、いい空間だった。ふかふかの大きなソファに沈み込むように座り、いろんな話をした。まわりがおそらく異性愛カップルばかりだったのだが、わたしたちがいちばんぴっとりくっついていたと思う。くっつきながら話すと、安心してすんなりと言葉が出てくる。この社会で生きることの話を、たくさんした。
夜は都知事選に向けての市民集会があり、10分遅れで到着。実は第一次呼びかけ人になってしまっていて、配布資料の表紙にも太字で名前がでっかく書かれてしまっているんですが、適応障害で体力がなく、まったく関われていなかった。130名くらいが会場にぎゅうぎゅうに集まり、非常に盛会だった。参加するだけして、急遽代読を頼まれてやり切り、たくさん来ていた顔見知りにあいさつして帰ってきた。正直休みたいと思っていたが、行ったら行ったで元気が出たので、行ってよかったなと思った。都知事選もどうなるんでしょうかね。
帰ってきて、はー疲れた!とお粥を作った。1杯めは梅干しと海苔、2杯めはわかめとあおさにキムチ。いつだってお粥が大好き。「おかゆラブ」Tシャツを作ろう。
恋人が翌日始発に乗って朝6時に出勤することが決定したらしく、落ち込んでいたのでなぐさめ電話をした。過酷な仕事だ……。
湯船に入ってから寝た。