朝から友人を呼び出し、部屋の中の大きい荷物を運び出す日。
9時50分に駅に集合という厳しいスケジュール。遠くに住んでいるのに申し訳ない、と思いつつ、引っ越しで誰に頼ったらよいか分からなかったので、パワーがあるだろう友人にお願いしてしまった。洗濯機を運び出し、ベッドのマットレスを運び出し、その他粗大ごみをすべて運び出した。2階からでもきつく、玉のように汗が出てびちゃびちゃになった。が、なんとたった30分で終わった。すこし休憩してからスーパーに段ボールを取りに行き、あとは荷物をまとめるだけの状態にして、友人へのお礼を兼ねてお昼を食べに行った。
地元ではかなり有名なピッツェリアで、誕生日祝いなどで行ったこともある、カジュアルなお店へ。開店から10分くらいの時間に行ったので、予約なしでも入れて安心した。
まずは生搾りトマトジュース、地元野菜のピクルス。

トマトジュース、本当に「生搾り」でびっくりした。種まで入っている。さらさらしていて飲みやすいし、わざとらしくない塩味でフルーティーさが引き立っている。
世界第2位を獲得したらしいマルゲリータと、5食限定ラザニア。


マルゲリータがあんまりにも美味しいんで、本当にびっくりした。2500円するだけある……。いつも違うピザを食べていたので知らなかった、こんなに美味しいピザがあったなんて!まずチーズの味が全然違う。そこに甘くてフレッシュなトマト、たまのアクセントにバジルがきて、生地のもっちりした質感と香ばしさが嬉しい。いつも池袋のギオットーネで薄焼きのとろとろしたピザをうまいうまいと食べているが、やっぱりナポリピッツァも好きだなあ。おそらくトマトソースがないのもめずらしく、おもしろかった。こんなに美味しいピザは食べたことがない。ピザの上位互換(それはピザなのか……?)だった。ピザのかたちをした美味しい何か。いま口コミを参照したところ、STGについて詳しく説明してくれているものがあり理解が進んだ。ありがとう。窯で焼くピッツェリアがあるってこんなに素晴らしいことだったんだ、もっと来ておけばよかった、と今更思う。
5食限定のラザニアもおいしかったが、マルゲリータの衝撃に印象が薄れている。

食後はクレームダンジュとホットコーヒーを頼んだ(友人は島バナナのジュース!甘さすっきりで、よくあるバナナのねっとりした香りはなく、それもすごく楽しかった)。ふわふわの雲みたいなクレームダンジュに、ぶどうとカットされたプラムが添えられていて、それがお皿のお花の色とぴったりだったのが嬉しかった。
妊娠・出産をするかどうかという決定権(もちろん、それが個人の「選択」だと言い切れるほど、この社会には潤沢なリソースやサポートは用意されていない)は、産む本人にあるよね、という話などをした。もちろん、妊娠する前、妊娠期間中、出産、その後の子育て…… が(多くの場合に妊娠させる役割を担う)パートナーに無関係なわけではないのは大前提として(「産むのはあなたなんだからあなたが全部決めて、全部やって」はおかしいし責任逃れだ)、産まないほうのパートナーが妊娠・出産に対して希望を述べるのってどうなんだろうね、みたいな話。産む本人が決定権を持つべき(リプロダクティブライツ)だからといって、すべてを決めて、すべてをやって、その結果を引き受ける=責任を負うのが妊娠・出産する本人だけ、というふうになってしまうべきでは、断じてない。産む本人にすべての責任を押し付けずに、話し合い、パートナーや他の人々がサポートするべきだ。しかし、誰かの妊娠・出産に自分も関係があるからといって、他者の「自分の身体のことは自分で決める」を損なってはけない。妊孕性がある人に向かって、ない人=妊娠・出産のあらゆるリスクを負わない人が「妊娠・出産してほしい」と希望を述べることには、一体どのような問題や、権力関係があるのだろうか……(わたしはパートナーに、妊娠・出産するかどうかは最終的にはわたしが決めます、わたしの身体のことなので、と言ってある)。きっとそれは、人と人が一緒にいて、生活のなかに変化を迎えるにあたって、どのようにすればリスクをともに引き受けられるか、また分散していけるか、という話でもある。
たっぷりごはんを食べ、たっぷりしゃべって、また明日ねと解散。八百屋で4つで950円の桃を買って帰った。
家に戻ってからは、寅の子すて〜しょんを流しながら段ボールに荷物を詰めた。人が話しているのを聴きながらだと、手を動かすのも捗る。なんだかんだでもう要らないものもたくさん出てきて、ぱんぱんのごみ袋が次々生まれていった。だいたい詰め終わり、けっこう疲れた。やっと引っ越しが見えてきた。
夜は桃に塩、胡椒、レモン汁、オリーブオイルをかけて食べた。