今日は来客があったので、本当にひさしぶりに時間通りに仕事に行った。
朝、ハーブティーを淹れて母と一緒に飲んだ。グリーンマテとミントを中心に、エキナセア、ラズベリーリーフ、セントジョーンズワートあたりを入れ、苦みのありそうなものでまとめた。体調や気分によって、飲みたいハーブが全然違うのがおもしろい。フジコ・ヘミングのピアノを聴きながら、ゆっくり飲んだ。
仕事場に着いてからは、ほんとうに真面目に仕事をした。来客があり、一緒に作業をして、それからランチに行った。ヴィーガンメニューがあることに味を占めたので、まるではじめて行くかのような顔をして、エリックサウスに連れて行ってもらった。ヴィーガンミールスはもりもりで最高だし、先日とは違う「本日の菜食カレー」がじゃがいもと青菜をマスタードシードで炒めたポリヤルだった。おごってもらい、元気を出して、午後も仕事を頑張った。やろうと思ったことが終わって安心した。
退勤してそのまま草月ホールへ。英国発実験音楽フェス(らしいです、今知った)『MODE』にBendik Giskeが出るというので観に来た。他は、坂田明、Valentina Magaletti。


開場にめちゃくちゃ時間がかかり、その間にめちゃくちゃ日記を書いた。来ている人々がみんなモードな装いをしていて、なんで……。と思ったら、イベントの名前が『MODE』でした。そりゃあそう。非常にそわそわする待ち時間だった。
前から詰めてと案内され、進んでいったら2列目の真ん中に座れた。ホールなのだからもっと後ろのあたりがいちばん音響がいいのだろうけど、こんなに近くで見られる機会もそう多くないので、近さに甘んじてみる。
始まった瞬間、「ああ、近くて良かった」と確信した。パーカッションのパフォーマンスをするマガレッティが、お辞儀をして、舞台の床をドラムスティックで叩きはじめたのだ。マガレッティのパフォーマンスも音楽も、とても好みだった。
次の坂田明は日本のフリージャズサックス奏者だが、わたしには向いていなかった。わたしが音楽に求めているのは、パターンの発見、そして既知による予期である。そこに、ただ「同じものの繰り返し」ではなく、変化が加わってほしい、とも思っている。わたしが音を「音楽」として聞く、その閾値について体感させられ、(わたしの感受とマッチしないことが)苦痛ではあったが、おもしろい体験ではあった。
目当てのBendik GiskeがあまりにもDIVAで、息を呑んだ。スリットが腰まで入った、ブラックのタイトなドレス。クィアだ、と一目でわかった(表象してくれてありがとう)。あとで調べたら、Giskeは「クィア・パフォーマンス・アーティスト」であるらしい。わたしの見立ては間違っていなかった!Giskeの音楽、パフォーマンスともに素晴らしく、来日公演を観ることができてよかった、と心底思った。とりわけ、Giskeがサックスの運指の音を拾ってリズムを音楽に組み入れているところがやはりおもしろい。こうやって演奏しているんだ、とびっくりした。ひずんだ音に、何かを投影しそうになる。
大好きな「Cruising」が聴けてうれしかったし、本当に本当に、演奏している姿を見ることがよろこびだった。
アーティストが3人いたため、3時間半にわたる長い公演だった。終演が22時半なんて、そうあることではない。もうへとへとで、われ先にとホールを出て帰路に着く。めっちゃ疲れた。
帰宅して、何も食べるものがなく、納豆を2パック食べた。