2023年に観た舞台

murab208
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・宝塚歌劇 花組公演『うたかたの恋』『ENCHANTEMENT -華麗なる香水-』

・新春浅草歌舞伎『双蝶々曲輪日記 引窓』『男女道成寺』

・宝塚歌劇 星組公演『ディミトリ~曙光に散る、紫の花~』『JAGUAR BEAT-ジャガービート-』

・宝塚歌劇 月組公演『応天の門』『Deep Sea -海神たちのカルナバル-』

・宝塚歌劇雪組 神奈川芸術劇場公演『海辺のストルーエンセ』

・木ノ下歌舞伎『桜姫東文章』

・宝塚歌劇 雪組公演 『BONNIE & CLYDE』

・梅田芸術劇場公演『ドリームガールズ』

・岩渕貞太身体地図『ALIEN MIRROR BALLISM』

・SixTONES『慣声の法則 in DOME』

・宝塚歌劇 宙組公演『カジノ・ロワイヤル〜我が名はボンド〜』

・Kaname Beans 5周年記念 スペシャルライブ『Kaname Beans~5豆~』

・宝塚歌劇 月組公演『DEATH TAKES A HOLIDAY』

・KAATキッズプログラム2023『さかさまの世界』

・東宝『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』

・宝塚歌劇 星組公演『1789-バスティーユの恋人たち-』

・宝塚歌劇 月組公演『フリューゲル-君がくれた翼-』『万華鏡百景色』

・宝塚歌劇 雪組公演『愛するには短すぎる』『ジュエル・ド・パリ!!-パリの宝石たち-』

・宝塚歌劇 花組公演『鴛鴦歌合戦』『GRAND MIRAGE!』

・妖精大図鑑『無関係のジョバンニ』

・宝塚歌劇 星組公演『ME AND MY GIRL』

・バストリオ『一匹のモンタージュ リクリエーション』

・宝塚歌劇 雪組 pre100th Anniversary 『Greatest Dream』

・ホリプロ『ねじまき鳥クロニクル』

・宝塚歌劇 花組全国ツアー公演 『激情』『GRAND MIRAGE!』

・朗読劇『ラストダンスは私に〜岩谷時子物語〜』

・十二月大歌舞伎『天守物語』

・十二月大歌舞伎『爪王』

2023年に観た公演チケットの半券は59枚。本数は28本でした。

ご覧になってわかる通り半数以上が宝塚歌劇団の公演。逃避する訳にはいかない現実があり、自問自答しながら劇場に通う日々でもありました。

半券の半数は月組公演。本公演である『応天の門/Deep Sea』『フリューゲル/万華鏡百景色』はほぼ同枚数。驚きました。

贔屓目ですが月組公演は今年も出色の作品が揃っていたように思います。何より注目すべき点は本公演2作品とも、トップコンビの恋愛を主軸に描かない作品だったこと!特に『応天の門』ではトップコンビにラブロマンスが無くても良いじゃない!とすごくすごくポジティブな気持ちで思えたことが大きかった。恋愛が主軸じゃなくても大丈夫だという安心感。月城さんと海乃さんそれぞれ自立したふたりだからこそ見えた世界だと思います。

一方で『DEATH TAKES A HOLIDAY』ではどっぷりと愛の世界を見せてくれたことも印象的。モーリー・イェストンの大ナンバーも実に聴かせてくれて、この公演は組全体の歌唱力の底上げにもなったと感じました。月城さんと海乃さんの舞台姿にある信頼感がとても好ましかっただけにご卒業の発表は寂しいですが、最後の日まで今のこの月組のすがたを覚えていたいです。

念願だったSixTONESのコンサート、それも東京ドーム公演を観に行けたことも嬉しかった。ど派手な舞台機構と特殊効果。LIVEであり、アトラクションのような時間だった。自分たちの音を楽しんでいるSixTONES 6人がドームのフロアを揺らしたあの時間を忘れたくない。

歌舞伎は『天守物語』が忘れられない。七之助さん初役の富姫は残念ながら見逃しましたが、間を空けずの再演ですぐに観られたこと、そして玉三郎さんの亀姫初役とのタッグで観られたことは筆舌に尽くしがたいよろこびがありました。仲良く頬を寄せながら人間社会を冷たく見下ろしている富姫と亀姫。ぞっとするほど美しかった。そこにわたしのサンクチュアリがありました。

コンテンポラリーダンスは『ALIEN MIRROR BALLISM』と『無関係のジョバンニ』の2本。2本とも前職場のラインナップで恐縮ですが…どちらもとてもとても豊かな時間がそこにあり、この豊かさに魅せられたんだったと初心のようなものを思い出して切なくなって泣きたくなった。涙が出るほど良かったです。

今年のベストを選ぶなら妖精大図鑑の『無関係のジョバンニ』。完全暗転が叶うブラックボックス型の劇場機構を利用したシーンや、舞台奥のシャッターが上がるカタルシスを予感させつつちょい出ししてくるところがとてもツボで。こんなに特性を活かしてくれて劇場も喜んでいることでしょう!と謎の立場から泣きそうになった。

劇場の仕事を辞めたこともあり、子ども向け公演を観に行く機会は減ってしまいましたが、唯一観に行くことが叶った『さかさまの世界』も豊かな時間だったな。KAAT神奈川芸術劇場のキッズプログラムはめちゃめちゃ攻めているのが最高です。

2023年はずっと待ち続けていた凰稀かなめさんと緒月遠麻さんの再共演が叶った年でもあった。年の瀬に観た『ラストダンスは私に』は心が震えすぎて苦しかったです。

人のうみだすエンターテインメントの儚さを感じた2023年。好きなものを好きでいられなくなると思った2023年。それでもその板の上で懸命に生きる人たちのことは大好きだから、今も心をどこに持っていけばいいのか惑っています。

2024年はコンテンツとの向き合い方を見つめ直さなければいけないなと。応援している月組の行く末を見守りつつ、自分自身の身の丈も見つめたいです。